こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
私たち会計事務所は業種区分で言えば、サービス業です。しかし、日々の
申告書作成業務などルーチンの仕事は、製造業に相通じます。いわば、生産
ラインに近いところがある。決算申告書作成の工程を細分化し、分業化し、
最終の検品チェック作業フローを組み立てる。その中で、改善のメスを入れる
視点として大いに参考になるのが今日の一冊。
『儲かるメーカー 改善の急所101項』柿内幸夫著(日本経営合理化協会)
それでは、赤ペンチェックをみてみましょう。
▼動作経済の原則 … 動作の数を減らす
▼繰り返し作業の事前準備 … 繰り返しの作業にこそ、知恵のレベルが現れる
▼理想的な整理整頓された状態とは、必要なモノが一動作で取り出せる状態
である。
▼目線より高くモノを積むな。
モノが高く積み上がっているということは、在庫や部品、仕掛品や書類など
それだけ滞留している証拠で、そこに問題が潜んでいると考えるべきだ。
▼ロットで買うな、要るだけ買え。
会社だとなぜか単価の安さに目がくらむ。そして現場には使われない購入品
が山と積まれ、運搬と管理、ムダ使いと廃棄を生み、会社のキャッシュを
減らす。当面いるだけを安く買うことが、最も効率よくムダがない買い方だ。
▼チェックは違う方法で二重に。
▼作業指示書には、必ず最終形を示して情報を流せ。
▼問題は見えるようにした時点で8割解決する。
▼人手不足と言うな。人不足と手不足に分けて考えよ。
人不足とは、技術・技能の蓄積を要する能力の不足で、採用、育成、習熟
といった人材への準備を怠ったことが原因だ。即解決は不可能で、経営陣に
よる戦略が不可欠だ。
ただし、忙しい人の仕事内容をよく観察してみると、誰でもできる仕事も
かなりしていることが多い。その人にしかできない仕事に集中・専念できる
ように切り分け、アシスタントを付けて解決できることは多い。
▼作業を教えるな仕事を教えよ。
「なぜ?」「何のために?」の質問がない人は駄目。OJTと称して、作業
ばかりを教える監督者がいるが、概して本人の仕事力が低い。
▼小さな仕事はパソコンで、大きな仕事は模造紙で。
▼作業改善を考えるな。その作業が会社に利益をもたらす仕事になっている
かを考えよ。
▼少数精鋭は少数から。上から人を抜くと精鋭化する。
▼管理専門の人がいるということは、現場がうまく回っていないことの現れ
である。
▼注文がないところに生産はない。
やるべきことは手が空いた人で注文を取りに行くことと、次に注文があった
ときに今より良いものを造れるように訓練することである。
▼工程間の流れを作れていない限り、システム導入によってかえって管理が
発生し、在庫が増える。
▼モノの管理に、人の目とコンピュータの目の相乗効果を取り入れよ。
▼コストは、生産性向上と在庫削減を同時に行えば、例外なく下がる。
コストダウンを考えるとき、スピードアップによる作業能率向上のみで
突っ走ってはいけない。
▼モノを捨てると知恵が出る。空間をつくるとアイデアが生まれる。
▼モノづくりの体制を野球型から、バレーボール型に変えよ。
各々融通が利かず、小回りが利かないと注文に対応できない。
求められるのは、ほぼ全員がすべてのポジションをカバーでき、状況に応じて
お互いが協力し合える「バレーボール型」だ。全員がネットの向こうの相手の
動きを見ながら反応する。目標の共有化と多能工化が見事に行われている。
▼改善に終わりはない。
これから、会計事務所業界は確定申告期間に入ります。
社内オペレーションを見直す良い機会にしたいと思います。
今日も社長業を楽しみましょう。