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競争の科学 ~ 賢く戦い、結果を出す

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

現在は、すべての企業がともに成り立つ「競合の時代」ではなく、ライバル

に勝った企業だけが生き残る「競争の時代」です。

人口減少時代でマーケットが小さくなると、負ければ即刻マーケットから

退場かもしれませんね…(汗)息子も今年中三になり、いよいよ受験生。

父子ともに、競争の時代に突入です。(笑)

そこで、本日の一冊はコチラ!

 

『競争の科学』ポー・ブロンソン&アシュリー・メリーマン著(実務教育出版)

 

それでは、本日の赤ペンチェックをみてみましょう。

 

▼喧嘩に勝つのは、身体の大きな犬ではなく、闘争心の大きな犬である。

by ドワイト・D・アイゼンハウアー

 

 

▼競争相手との「差」

人は軽々と勝てると思うと、全力を出そうとはしなくなる。どうあがいて

も勝ち目がないと思った時も、懸命に努力するのをやめる。そのため、

販売競争では、成績が同等の者同士を競争させるべきである。

 

 

▼競争相手の「数」

あまりに多くの相手と争わなくてはならないとき、人は特定の相手と張り

合おうとすることに消極的になる。参加者が大勢いると、個人的な競争の

感覚が薄まり、競争の結果が自分個人の価値を測るものだとは感じられ

なくなる。このため、必死に努力しようという意欲が削がれるのだ。

 

 

▼少人数のクラスで生徒の成績が上がるのは、他の生徒とのライバル関係

が濃密になり、多くの競争が起きやすいためで、自分の能力を測る基準が

身近に感じられるためではないかと考察している。

 

 

▼人間を動機付けるもの

人を競争させて一部の人にのみ高い報酬を与えると、悪影響が生じる場合

がある。だが、これらのデメリットを上回るメリットがある。長い目で見れ

ば、競争や報酬には優れたパフォーマーを引きつける効果がある。

平等主義の非競争的な職場では、優れた業績を上げながら、それが表彰や

金銭的報酬で報われていないと感じる社員が出て行ってしまう可能性がある。

 

 

▼確かに自発的な意欲に満ちた人を雇って自由に仕事をさせれば、監視や

賞与などで介入しなくても、良いパフォーマンスが得られるのは可能だ。

ただし、それはそういう人を見つけ出し、手放さないようにしなければ、

という条件での話だ。それができないのなら、インセンティブを設定して、

仕事を魅力的なものにしなければならない。

 

 

▼一発勝負に対する強さ

日々の教室での勉強では、心配性型に利点があった。高濃度のドーパミン

のお蔭で、記憶力や注意力、言語性IQが優れ、計画力が高く、複雑な思考

をまとめることができた。だが、このタイプの子供は、試験が近づくにつれ、

プレッシャーを強く感じ、勉強時間も増えていった。そして、フラストレー

ションをため、いつもの自分ではないような感覚のまま試験日を迎える。

同時に、自分はトップクラスの生徒だという自己認識もある。だが、この

認識は高い期待につながり、さらなる重荷になる。

 

 

▼心配性型 vs 戦士型

心配性型の点数は、戦士型よりも8%低かった。心配性型は、理科や社会、

数学など、高い作業記憶が求められる科目で苦戦した。それはまるで、普段

の成績がAとBの生徒が、試験になると立場を入れ替えてしまったかのよう

な結果だった。普段は極めて頭の良い心配性型の子供たちは、一発勝負の試験

環境でテストされるという理由だけで、志望校に入れないのである。

 

 

▼競争力の生物学的要因

子供の競争能力を養う方法には、集団で遊ばせる、制限の範囲内で親とじゃれ

合う、競争を途中でやめないことの重要性を教える。

 

 

▼リスクテイクはビジネスに必要であり、歓迎されるべきだ。だが、それが

常に良いものであるとは限らない。リスクテイクは諸刃の剣である。

成果が上がれば英雄になるが、失敗すれば愚か者に見える。

重要なのは、迅速な行動だ。手を打つのが遅れるほど、低価格戦略で挑んで

くる競合は勢いを増し、顧客の信頼を得ていくため、ファイターブランドで

の対抗が難しくなる。

 

 

▼人は勝利によって得られるものに注目すると勝算を度外視してリスクをとり、

勝算に注目するとリスクをとらなくなる傾向がある。企業の事業戦略には、

経営者の哲学や企業文化が大きな影響を与えている。勝つことを重視する

企業は果敢に前進する。競合から挑まれると、それまでの2倍の努力と投資

をして相手を迎え撃つ。それは勝つためのプレーだ。

 

 

▼一方、負けないことを重視する企業もある。損失を抑え、利益を守り、

嵐が通り過ぎるように新規参入者の勢いが収まることを願う。

競合から挑まれると、コストを削減し、投資を縮小し、従来の方法を貫いて

生き残りを目指す。それは負けないためのプレーだ。

勝つためのプレーの特徴は、努力レベルの向上と絶えざるリスクテイクだ。

負けないためのプレーの特徴は、保守主義と大損失の回避だ。

だが、強烈なプレッシャーのもとでは、ミスを避けようとする戦略がさらに

多くのミスにつながることもある。これは、負けないためのプレーのパラ

ドックスである。

 

 

▼ミスがミスを招く理由

ミスから学べる人がいる一方で、ミスによって落ち込んでしまう人がいる

のはなぜだろうか?伝染するかのように、次から次へと何人も同じミスを

繰り返すことがあるのはなぜだろうか?これは“期待”が影響している。

予想外の敗北は、予想された敗北よりはるかに衝撃的である。予想された

勝利は、意外な勝利よりも輝かしくはない。同じことが予想外のミスにも

当てはまる。

 

 

▼獲得型志向 vs 防御型志向

人間には2つの神経系がある。

獲得型志向のとき、人は細かい点にこだわらず、成功を確信する。

細かな情報が増えても、慎重になったり、リスクをとりにくくなったり

するだけだからだ。獲得型志向の人は、意欲が高く、行動が迅速で、制

限時間があると力を発揮する。競争を刺激的で胸を躍らせる究極のスリル

だと感じる。うまくいった点について褒められたり、感想を述べられたり

すると敏感に反応する。

 

 

▼防御型志向のとき、人は細部に強く注目する。それは、ミスを減らすこと

につながるからだ。行動前に曖昧さを減らすことを好み、競争相手に関する

情報をできるだけ多く集めようとする。たいていの場合、自信は高くない。

警戒心が強く、細心の注意を払って行動し、リスクを避ける。

獲得型志向は成功への願望が動機になる。防御型志向は失敗の恐怖が動機

になる。

 

 

 

▼獲得型と防御型という2つの志向は、表裏一体の関係にある。

新しいアイデアや会社は、獲得型志向から生まれる。だが、起業して、

日々の業務をするようになると、社員は防御型志向に傾いていく。

ただ事業を成長させるには、極めて創造的でなくてはならないが、その

解決策は測定可能で合理的なものでなくてはならない。

経済の基盤となる職業の多くは、獲得型と防御型の両方の神経系の訓練が

必要なのである。

 

 

 

▼一般的な報酬システムは、たとえば「基本給に加え、目標の95%を

達成すればボーナスを支払う」というものだ。だが実験の多くが「基本給

とボーナスを支払う。ただし、目標の95%を達成できなければボーナス

を減額する」という減点方式の方が、従業員が生産的になることを示して

いる。

 

 

勝者と敗者を分けるものを科学的な見地から分析された書籍で、興味深く

読めました。百年企業がなぜ永続できるのか? 恐らく事業ステージの中で、

勝ちに行ったり、負けないプレーを重視したり、獲得型志向と防御型志向を

うまく使い分けてきたからだと思います。

今日も社長業を楽しみましょう。

 

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