こんにちは、岩佐孝彦@税理士法人トップ財務プロジェクトです。
本日の一冊はコチラ。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「イノベーションと
企業家精神」を読んだら』岩崎夏海著(ダイヤモンド社)
野球を通じて経営が学べる。
私にとっては最高の一冊です(笑)。息子にも野球を通じ、人生を学ばせています。
息子にとっては【目的=野球】、【目標=勉強】。
そんな中学校生活を送らせています。
それでは、本日の赤ペンチェックを見てみましょう。
▼企業家はイノベーションを行う。イノベーションは企業家に特有の道具である。
私たちは、マネージャーとしてこの野球部の「企業家」になろうとしています。
単なる「経営者」ではなく、新しい価値を生み出していきます。イノベーションは、
そのための道具です。イノベーションなくして、新しい価値は生み出せません。
▼予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。これほどリスクが小さく
苦労の少ないイノベーションはない。しかるに予期せぬ成功はほとんど無視される。
困ったことには存在さえ否定される。
▼予期せぬ成功をマネジメントが認めないのは、人間だれしも、長く続いてきたものが正常
であって、永久に続くべきものと考えるからである。自然の法則のように受け入れてきた
ものに反するものは、すべて異常、不健全、不健康として拒否してしまう。
▼変化を謙虚に受け止めるには、とても勇気がいることだ。
さらによく起こることとして、予期せぬ成功は気づかれさえしない。注意もされない。
利用されないまま放っておかれる。
多くの人は変化に抵抗を覚えはするんだけど、それに無自覚でもあるのよ。
▼予期せぬ成功がもたらすイノベーションの機会を利用するには分析が必要である。
▼普通、組織というのはまず「するべき事業」があって、それから人を集める。
しかし浅川学園野球部においては、まずマネージャーが集まって、それからするべき
事業を決めていた。事業の前に、まず人ありきだった。普通とは逆なのだ。
▼そういうマネジメントの本を、文乃は本で読んだことがあった。それは、ジム・コリンズ
の『ビジョナリーカンパニー2 ~ 飛躍の法則』という本だった。コリンズは、生前の
ドラッガーとも親交の深かった経営学者だ。いうならば「ドラッガーの後継者」のような
人物である。
その彼が、この本の中で「偉大な企業は、まず人を集めたうえで事業を決める」との調査
結果を発表していた。この考察は、これまで一般的に考えられていたものとは真逆だった。
つまり、普通は事業を決めてから人を集めると考えられていたため、多くの人々に衝撃を与えた。
▼それにとどまらず、コリンズはさらに衝撃的なことを言っていた。
「偉大な企業への飛躍に際して、人材は最重要の資産ではない。
適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ。」
このように、彼はドラッガーの有名な「人こそ最大の資産」という言葉を、暗に否定しているのだ。
コリンズは、不適切な人材は組織の足を引っ張ると説いていた。
▼どうすれば部員たちの居場所を作れるのか?
そう考えると、人が「居場所がある」と感じるためには、誰かに「必要とされること」が大事だった。
誰かに頼りにされる必要があるのだ。
▼人が誰かに必要とされるのはどういうときか?
自分では解決できない問題を、その人なら解決できるときであることがわかった。
▼強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャーに任命してはならない。
できないことに気づいても、できることに目の行かない者は、やがて組織の精神を低下させる。
▼野球は上手いけど練習をサボる選手と、野球は下手だけど一生懸命練習する選手。
夢だったら、どっちの選手を試合で起用する?
心情的には、練習する選手の方を使いたいわね。たけど、これにはもう一つの答えがあるの。
それは「どっちも起用しない」ということよ。どっちも起用せず、「野球が上手くて一生懸命練習
する選手」を起用するの。夢だって、野球が上手くて一生懸命練習する選手がいたら、無条件で
起用するでしょう。まずはそういう選手だけで組織を構成するよう努力するのが、マネジメントの
するべきことじゃないかしら。
▼そもそもそういう選手が一人もいなければ、そうした問題に悩まなくても済むでしょ?
この質問の究極の答えは「悩むことそのものが間違い」ということなの。悩む前に解決しておけって
いうこと。
▼なるほど。でも、そうなったら、努力しない人や下手な人の居場所はどうなるの?
それは…「ない」ということにならざるを得ないわね。
それで、夢は少し戸惑った。というのも、これまで人事の仕事は「部員たちの居場所を作ること」
だと信じてきたからだ。それが、もし「居場所がない部員もいる」というのを認めるのだとしたら、
それは人事の敗北になるのではないかと思ったのだ。そこで夢は、こう尋ねた。
「じゃあ、真実はこの野球部をそういう組織にしようと思うの?」
「“しよう”というか、目標を達成するためには“せざるを得ない”んじゃないかな。」
以上です。今日も社長業を楽しみましょう!