こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
大阪・関西万博が
ついに開幕しましたね。
大阪では55年ぶりの開催。
55年前の1970年当時、
私は赤ちゃんでしたので、
全く記憶にありません。
ただこの55年間の約半世紀で、
時代が大きく変わりました。
55年前は高度経済成長時代の
真っ只中。
そして現代は低成長時代の
真っ只中。
先日の日経新聞では、
『日本の総人口14年連続減
24年、55万人減り1億2,380万人』
の記事が出ていましたが、、、
人口減少は周知の事実。
今さら驚くことのない記事ですね。
日経トップリーダー誌を読んでいると、
“先代 vs 二代目”
の経営方針の対立に関する
記事をよく目にします。
その構図のパターンは以下の通り。
▼先代 … 量産戦略
vs
▼二代目 … 価値戦略
先代は得意先に行くと、
「値引き率」
ばかりを口にする。
値下げをすれば顧客が喜ぶ。
そのニーズに合うように、
低価格品を大量に安く作る。
そんな事業モデルを
先代は貫いていた。
しかし人口減少で、
市場は縮小し、
価格はどんどん下がっていく。
二代目は危機感を抱く。
人口減少の低成長時代に
先代の事業モデルを
続けるのは無理だと。
そこで先代と対立しながらも、
自社ブランドの高付加価値商品の
開発に成功し、
国内外の表彰を受け、
会社を発展させる礎を築いた。
そんなストーリーです。
このように人口減少時代の今日、
確かに価値戦略を展開すれば、
持続的賃上げの道は開けるでしょう。
しかし注意が必要です。
賃上げしたところで、
経営者が期待するほど
社員は頑張りません。
1万円賃上げしたからといって、
社員は1万円分頑張ろうと思いません。
ただ経営者は賃上げしたら、
頑張ると誤解します。
しかし社員は、
賃上げは過去の頑張りに対して
実施されると考えています。
社員が頑張るのは、
「どんなふうに仕事をして、
自分が成長すれば、
評価が上がり、
いくらもらえるのか」
という因果関係が分かる時です。
ご時勢に従って、
根拠のない防衛的賃上げを続けると、
いよいよ会社が持たなくなります。
「頑張れば給与を上げるから」
の一言で済んだかもしれません。
しかし今は違います。
「こう頑張れば評価される」
ことを明確に示すことが重要です。
つまり、
「賃上げは業績に連動する」
ことを社員に再教育する。
そんな好機が今到来しているのです。
しかし、
人口増加時代の名残で、
「売上は当然増やすべきもの」
という固定観念が
多くの経営者に残っています。
ただ売上拡大に走らず、
▼粗利益率
▼1人当たり粗利益
▼人時生産性
をKPIとする経営体質に変革できるか?
この命題が今問われているのです。
今回の大阪万博のテーマも、
「いのち輝く未来社会のデザイン」
とのことですが、人口減少時代の
「社員が輝く未来企業のデザイン」
を私たち経営者も描きたいところです。
今日も社長業を楽しみましょう。