税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
前回のお話の続きです。
アイリスは結果として、
【売上高に占める
新製品の研究開発費】
も一定水準を保っています。
売上高40億円のときも、
売上高400億円とのときも、
売上高4,000億円のときも、
【売上高の4%】
です。
あなたの会社がもし、
新市場開拓に向けての
先行投資として、
多額の研究開発費を
投入した結果、
営業利益が毀損し、
銀行評価が心配な場合は、
【開発費=繰延資産】
として資産計上して下さい。
詳細の解説は割愛しますが、
会計上の5つの繰延資産に加え、
税法固有の繰延資産あり。
税法上の繰延資産とは、
「法人は支出する費用のうち、
支出の効果がその支出日以後
1年以上に及ぶもので、
政令で定めるもの」
と定義されています。
開発費などの会計上の繰延資産は、
【任意償却】
と定められています。
定額法で
償却しなくてもよいのです。
これは経営者からすれば、
大変有難いですね。
中小企業経営者は銀行に提出する
決算書に神経を使います。
赤字続きでは追加融資が受けられず、
金利も上げられるのではと戦々恐々。
融資担当者も、
「少しで構いませんから、
黒字を計上して下さい」
と言ってくる。
そこで経営者は無理をして、
黒字決算にすることを考える。
そこで最も安易な方法として、
在庫調整を図り、
在庫を増やし、
黒字決算にするケースが多い。
棚卸表に数字を追加するだけで
黒字決算が簡単にできてしまう??
しかし開発費として
繰延資産の計上をする。
これは粉飾決算ではありません。
企業会計原則に則った
経理処理であり、
税法上も問題ないのです。
ただ新製品開発や新市場開拓の
経営努力をしていなければ、
開発費をそもそも
計上しようがありませんが、、、、
経営者たる者、
現状維持に甘んずることなく、
イノベーションを
常に起こしていかねばなりません。
今日も社長業を楽しみましょう。