こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
前回のお話の続きです。
液晶のシャープの衰退過程から、
経営者のあなたは反面教師として、
何を学びましたか?
教訓とすべきは以下の2点です。
▼教訓その1
「世界の亀山モデル」の成功の復讐
↓
堺工場建設が身の丈以上の
過剰投資になってしまった。
▼教訓その2
堺工場閉鎖の経営判断が
あまりに遅すぎた。
↓
大量の在庫を抱え込む事態
↓
赤字の垂れ流し状態が毎年続き、
経営悪化の歯止めがかからぬ状態に。
特に、教訓その2は難しいです。
経営判断には次の3つがあります。
▼攻める経営
▼守る経営
▼捨てる経営
市場環境や会社の財務体力に合わせ、
この3つをバランスよくできるか?
これが経営手腕です。
将来性のある商品はどんどん攻める。
ほどほどの商品は守る。
しかし、
利益率が低下している商品は、
たとえ売上が大きくても、
早めに捨てなければなりません。
特に【捨てる経営】は大切です。
今日のように時代変化が速ければ、
いつ何時売上が急減するか、
わかりません。
過剰な在庫・工場・設備を抱えると、
損益分岐点が上がってしまい、
何かの理由で売上が減ると、
すぐに赤字に転落してしまいます。
しかし多くの経営者は、
捨てる経営が苦手です。
「捨てること
= 即売上を減らす」
ことになるからです。
売上がその分減るのが怖くて、
捨てられないのです。
「売上至上主義」の落とし穴です。
ただよ~く考えてみましょう。
使わない設備や
売れない在庫を抱えていると、
維持するだけでコストがかかる。
そのための人員も必要となる。
更に売上債権や在庫というのは、
“お金が寝ている”
状態ですから、
その分の運転資金が必要になる。
それを銀行借入で賄うと、
金利で更に利益が喰われます。
先日も長期金利上昇の報道アリ。
日銀のマイナス金利解除を受けて、
今後の金利の動向は
注視しなければなりません。
以上、コスト高になり、
利益率が低下。
B/S(貸借対照表)が肥大化する。
そしてP/L(損益計算書)にも
影響を与えて、
更に損失が出ることになるのです。
要らないものを抱え込んだり、
キャッシュが滞るものが存在したら、
不良債権化して苦しむということを
経営者は認識しなけれななりません。
万一そうしたものを
社内に抱え込んだら、
さっさと捨てる経営が実行できるか?
【即断・即決・即実行】
が必要なのは、
攻める経営の局面だけでは
ありません。
これでは単なる無鉄砲な
イケイケになりかねません。
捨てる経営の局面にも、
即断・即決・即実行ができるか?
世界の亀山モデルの衰退を
反面教師にすべし。
自戒の念を込めて。
今日も社長業を楽しみましょう。