こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
所得税確定申告期間中は、
“天から矢のように仕事が降ってくる”
感覚です。
「忙」とは心を亡くすと書きますが、、
(汗)
忙しいことに感謝し、
スタッフ一同頑張ってまいります。
自民党の政治資金パーティーの
裏金事件は一体どうなるのか?
収支報告書の不記載分を
【雑所得】
とすれば追徴税額いくら?
自民党が2月13日に発表した
全議員調査に基づき、
全国商工団体連合会が
計算した結果は以下の通り。
▼二階元幹事長 1,078万円
▼三ツ林衆院議員 897万円
▼萩生田前政調会長 755万円
▼山谷参院議員 621万円
▼堀井衆院議員 602万円
裏金議員85人に対する課税額は
合計1億3,533万円になるとか。
鈴木財務相は税務調査について、
「税務行政の中立性の確保のため、
国税庁に指示を行わない」
と拒否しました。
これでは確かに国民の理解は
得られないかもしれません。
個人に係る所得税法上、
10種類に所得は分類されています。
▼その1 … 退職所得
▼その2 … 一時所得
▼その3 … 給与所得
▼その4 … 事業所得
▼その5 … 譲渡所得
▼その6 … 利子所得
▼その7 … 配当所得
▼その8 …不動産所得
▼その9 … 山林所得
▼その10 … 雑所得
所得の性質や発生形態により、
担税力が異なるという
考え方に基づき10区分に分類へ。
自民党議員の裏金は、
【雑所得】
として他の9区分に
該当しないと考えられています。
主なものとしては、
▼公的年金
▼原稿料や講演料等の副収入
▼暗号資産取引によする所得
等が挙げられます。
私たちにとって
10区分の中で最も馴染み深いのは、
【給与所得】
でしょう。
ただ馴染み深いということは、
【給与所得 = 搾取の縮図】
を意味します。
▼トー(10割)… 会社員
▼ゴー(5割) … 自営業
▼サン(3割) … 農家
▼ピン(1割) … 政治家
という言葉もあります。
課税当局の所得捕捉割合を
示す用語ですね。
太平洋戦争中にナチスドイツに倣い、
導入された源泉徴収制度。
この源泉徴収制度の存在こそが
【給与所得 = トー(10割)】
にしている。
そう言っても過言ではありません。
他方、
ピン(1割)と言われる政治家の
所得に今回メスが入るのか?
今後に注目です。
確定申告期間中は
全国民が重税感に苛まれます。
法人税は比例税率に対し、
所得税は累進税率です。
所得が高くなれば高いほど
高い税率が課せられる。
そんな構造になっているのです。
課税所得により以下の税率です。
▼900万超1,800万円以下
⇒ 所得税33%+住民税10%
(計43%)
▼1,800万円超4,000万円以下
⇒ 所得税40%+住民税10%
(計50%)
▼4,000万円超
⇒ 所得税45%+住民税10%
(計55%)
稼ぐ経営者は事業の成長に合わせ、
ご自身の年収を上げていきます。
1,000万円、2,000万円、3,000万円、
4,000万円、5,000万円、、、、、
色んな事業リスクを抱えながらも、
己の人生を賭けて、
ビジネスを成長させていく。
その報酬として高額の年収を得る。
経営者のある意味醍醐味と言えます。
法人税法34条に抵触しなければ、
役員報酬は株主総会&取締役会で
決定OK。
《注》
法人税法34条には役員給与の
損金不算入が規定されています。
過去の判例でも過大役員報酬として
否認事例もあります。
顧問税理士にご相談下さい。
しかし多くの経営者は、
以下の真実に気づきます。
▼多額の役員報酬を取っても、
所得税&住民税の負担が大きく、
手取額は思うほど残らない。
▼一定水準を超えると、
額面と手取額の乖離が
非常に大きくなる。
▼稼いだ額と残した額は
決して比例しない。
そうです。
この気づきから経営者自身に
【実質手取額の最大化】
に向けてのスイッチが入るのです。
そのためには10区分の所得の中で、
「どんなお金の取り方をするのか」
に知恵を絞る必要があります。
手始めに重要となるのは、
【給与所得との付き合い方】
になるでしょう。
普通に取れば、
▼トー(10割)
▼源泉徴収制度
の他、
▼社会保険料
(健康保険料+厚生年金保険料)
により実質手取額が少なくなる??
役員給与はある意味、
最もオーソドックスな取り方です。
しかし普通に何も考えず、
直球を投げてはいけません。
野球に例えれば投手が普通に
直球を投げれば、
“棒球”
になり簡単に打者に打たれます。
直球勝負ではお金が残りません。
大切なのは、
“曲球”
を投げるイメージを持つこと。
曲球には色んな読み方があります。
▼くせだま
▼まがりだま
▼きょっきゅう
いわゆる変化球の意味で、
打者が打ちづらい球となります。
一流のピッチャーの場合、
たとえ直球でも棒球ではありません。
手元で伸びたり、動いたりします。
だから打ちにくく、
打者を打ち取れるのです。
またビリヤードの世界でも、
“曲球”
がありますが、
▼きょくだま
と呼ばれます。
球をジャンプさせたり、
強いバックスピンやカーブをかける。
このようなショットだそうです。
依然にお話したように、
『孫子の兵法』
を税務の世界でも実践して下さい。
………………………………………………
凡そ戦いは、
正を以て合い、奇を以て勝つ
………………………………………………
正攻法によって敵を受け止める。
そして奇策を行うことで勝ちを得る。
そんな意味の言葉ですね。
創業20年&税理士登録27年を
私(岩佐)は今年迎えますが、
これまでの経験則上、
「孫子の兵法こそが
税務戦略の要諦である」
という結論に行き着いた次第です。
正攻法(=直球)だけでは、
お金を決して残せません。
奇策(=曲球)を投げる。
これが日本の税制に賢く対応し、
経営者として、
社員と家族を守る術なのです。
但し、
隠し玉(=簿外収入)は
絶対NGです。
今日も社長業を楽しみましょう。