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【バレンタインの教訓②】経営者保証外しは時流です。

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ

税理士法人トップ財務プロジェクト代表

岩佐孝彦@税理士です。

前回のお話の続きです。

 

メリーチョコレートカンパニー社の

経営破綻のもう一つの要因は?

無借金経営であったこと。 

 

ともすれば、

「無借金経営は美」

とされますが、

健全ラインの範囲内では、

銀行借入は必要です。

 

会社は赤字だから、

倒産するわけではありません。

手持ちキャッシュが無くなるから、

倒産するのです。

 

赤字でも手持ち現金が豊富であれば、

資金繰りは回りますから、

存続は可能です。

 

名経営者として著名な

佐藤肇氏(スター精密元会長)は、

リーマンショック時に

受注8割減になっても、

全ての事業活動を全面ストップ。

 

売らない。仕入れない。作らない。

 

リーマンショック時に無理に売れば、

価格を下げたり、

回収を遅らせる必要がある。

 

一度価格を下げれば、値戻しは絶望的。

大赤字でもじっと動かなかった。

リーマンショックを耐え忍びました。

 

こうした打ち手が可能なのも、

資金繰りに当面困らないだけの 

キャッシュがあったからです。

 

そういう意味でも、銀行とのパイプは必要不可欠です。

しかし、、、

メリーチョコレートカンパニーの場合、

従来無借金経営であったため、

銀行とのパイプが無かった。

 

金融機関には「一見さんお断り」の

取引慣行があります。

 

「晴れた時には傘を貸し、

 雨の日は取り上げる」

 

という組織体質を有する。

それが銀行です。

 

今まで全く取引の無かった企業から

急に支援を求められても、

銀行が融資してくれる訳が

ありません。

 

税理士登録27年の経験則から

言えるのは「年商の半分」を

銀行借入のデッドラインとすべきこと。

 

この範囲内で銀行借入を

戦略的に活用することは大切です。

 

 

ただ銀行との関係性において、

注意すべきことがあります。

銀行借入リスクを最小限にする。

そんな経営努力をしてほしいのです。

 

つまり、

【経営者保証外し】

が極めて重要です。

ここで朗報を紹介しましょう。

 

金融庁は昨年4月の指針改正を受け、

 

▼民間金融機関の新規融資に占める

 経営者保証に依存しない融資割合

 ⇒ 13%UP(前年対比)

 ⇒ 全体の47%

  (2023年4~9月)

 

との結果を公表しました。

 

業態別にみても、

▼都銀 61%

▼地銀 55%

▼信金 37%

▼信組 22%

と全業態で改善傾向へ。

 

もはや【経営者保証外し】は時流です。

経産省は3月に、

「経営者保証なしの

 信用保証制度の創設」

を計画しています。

 

 

通常よりも高い保証料を支払うことで

経営者保証が不要になるとか。

これは本当に良い動きですね。

法人で借入をしているのに、

個人がなぜ連帯保証するのか?

中小企業ならではの

不合理な話でしたが、

昨年4月の金融庁の指導指針に基づき、

一気に融資環境が整備されています。

 

こうした動きから見ても、

無借金経営に固執する理由は

無くなっていると言えるでしょう。

 

もし経営者保証外しが未済なら、

取引銀行に理由を確認して下さい。

 

金融庁は安易な経営者保証を

抑制すべく、

経営者保証を求める場合は、

その理由の説明責任を義務付けへ。

 

自社の財務体質に問題があるのか?

取引銀行の組織体質に問題があるのか?

経営者保証外しができないとしたら、

いずれかに該当しているはずです。

バレンタインを日本に普及させた。

そんな立役者の

メリーチョコレートカンパニー社。

 

同社の経営破綻理由を教訓に

銀行との関係性について     

今一度見つめ直してほしいと思います。   

今日も社長業を楽しみましょう。

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