こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦＠税理士です。
山田養蜂場より先日、
私と妻宛に手紙が届きました。
山田養蜂場の本社は、岡山県鏡野町。
父の実家近くにあり、
お盆と正月の帰省時には、
家族でいつも店舗に立ち寄っています。
＊売上高 288億円
＊従業員数 617人
＊資本金 1億円
＊1948年創業
＊通販会員数 全国数百万人
岡山県を代表する
名門企業の一つです。
そんな山田養蜂場からの
手紙を開封すると、
「長文のお詫び状」
が入っていました。
顧客リストに基づき、
一斉郵送したようです。
山田英生社長の名前で、
手書きで以下の文章が
書かれていました。
………………………………………
謹啓
この度は前専務の逮捕という
報道により、
弊社商品をご愛顧頂いていた
皆さまに
不快な思いをさせてしまう
こととなり、
大変申し訳ございません。
（中略）
何よりも
弊社の人間主義の理念を
知りながら、
全く逆のことを行ったのは、
許されざる行為であり、
言語道断でございます。
（中略）
私たちが
「創業の精神」
の実現のために
懸命に続けてきた
商品づくりや事業活動に
嘘偽りはございません。
どうか、
これからも山田養蜂場を
よろしくお願い申し上げます。
………………………………………
容疑者は山田英生社長の次男。
東京都迷惑防止条例違反等で逮捕。
本件を受け、
▼役員等の全役職解任
▼株主としての地位消滅
の厳正なる社内処分を行ったとか。
ビッグモーターと異なるのは、
役員解任だけでなく、
株主の地位も返上している点。
恐らく顧問税理士が、
「財産評価基本通達に基づく
自社株評価額」
を適正に計算した上で、
「自己株式（＝金庫株）」
or
「他の株主へ譲渡」
したと思われます。
ビッグモーターの場合、
親会社のビッグアセットの株主が
創業家であることに変わりなく、
和泉新社長に交代しても、
経営支配権は全く変更なし。
よって2社の比較で言えば、
山田養蜂場の方が
ケジメが感じられます。
主力商品である、
「ローヤルゼリー」
開発には逸話があるとか。
創業者の娘さんが先天的な
重度の心臓疾患を持って生まれた。
そこで、
娘さんが元気になってほしいとの
思いを込め、
創業者は研究に没頭へ。
しかし娘さんは14歳で他界。
そんな家族を失った悲しみを
胸に秘め、メセナ活動にも注力。
「ミツバチ文庫」
は全国2万3千の小学校に
図書寄贈へ。
そんな創業理念を踏みにじる
同族の3代目社長候補の不祥事は、
経営に大打撃をもたらすかも？？
ただ個人的には、
父の生まれ故郷が生んだ
名門企業だけに、
同社の再起の道への歩みを、
静かに応援したいと思います。
今日も社長業を楽しみましょう。
