こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
前回のお話の続きです。
稲盛和夫氏の門下生H社長のお話は、
ハッピーエンドでした。
しかし岩佐が税理士として、
心を鬼にするならば、
「H社長の経営者人生の
ハッピーエンドは、
まだ100%保証できない」
と言わねばなりません。
日本の相続税法のメカニズム上、
▼経営者人生の“成功の復讐“
▼最終章の“地雷”
▼会社第一主義の“罠”
がこの先に待っているからです。
キーエンスやトステム創業者など、
名経営者がなぜ相続税対策に
失敗したのか?
相続税は「二重課税」との
批判もあります。
ただこのテーマに対しても
「環境変化対応」
が経営者に求められるのです。
日本の事業所の99.7%を
占める中小企業は、
「法人と個人が表裏一体」
です。
公私混同は慎むべきですが、
「公私並行」
を実践しなければ、
法人の事業が成長すればするほど、
自社株高騰など、
経営者個人に影が生まれる。
経営者の相続時に、
家族も従業員も大打撃を受ける。
この現象に対し万一後手に回り、
「経営者人生の
エクジット戦略シナリオ」
が曖昧なままでは、
いつか必ず、経営者個人に
不安な気持ちが芽生えてきます。
そうなれば心底から、
「従業員の物心両面の
幸福の追求」
を全うできなくなります。
経営者は誰しも
聖人君子ではありません。
だからこそ、
自分や自分が守るべき人のために
「経営者人生の有終の美を飾る
ノウハウ・戦略や方法論」
について、
なぜそれを手に入れる必要があるのか、
更にどのようにすれば手に入るのか、
という、
自問自答を繰り返すべきでは
ないでしょうか。
その一助となるであろう、
学びの機会として、
今年春に日本経営合理化協会より
「オーナー経営者の相続税対策」
をテーマに新作発刊予定です。
稲盛和夫氏より、
“シッチャカメッチャカ経営”
と叱責されたH社長は、
「世の中、矛盾だらけ」
と以前思っていたそうです。
小学生の時は金持ちの子より
自分の方が野球が上手いのに、
家が貧乏でユニフォームが
買ってもらえないから、
選手になれなかった。
学校の先生も金持ちの子を
チヤホヤする。
大人になって、
自販機の仕事をしても、
ここまでやっちゃいかんだろうと
いうところまで、
同業者は平気でやっている。
ただこうした矛盾を乗り越え、
京セラ役員幹部の前で
講演を稲盛氏から依頼されるほど、
H社長は立派な経営者になられた。
2023年も色んな“矛盾”
に私たちは直面するかもしれません。
ただそれに屈してはいけない。
日本の税制メカニズムにおける、
“矛盾”
も経営者として乗り越えてほしい。
税理士として、そう願っています。
今日も社長業を楽しみましょう。