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シッチャカメッチャカ経営からの逆襲

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ

税理士法人トップ財務プロジェクト代表

岩佐孝彦@税理士です。

今から44年前のこと。

大阪青年会議所の講演にて、

松下幸之助氏はこう言ったとか。

……………………………………………

私は正月を迎えた時に、

「ああ、今日は正月を迎えた。

 結構やな。

 去年一年無事にやった。

 ありがたないな」

と思うて、

「今年は大いに奉仕せねばいかん。

 去年無事に育った、

 多少とも儲かったことに対し、

 今年はそのお礼をせねばいかん」

と考えます。

そうすると、勇気が湧いてくる。

だから、その年も無事にいける。

また正月が来ると、

またそう考える。

毎年毎年そうしているんです。

……………………………………………

さすが、経営の神様ですね。

来年の正月に私たちも、

こんなふうに思えるように、

お互い頑張ってまいりましょう。

ただ経営者人生はいわば、

「人間力を磨く修行」

なのかもしれません。

 

日経トップリーダーの

連載記事では現在、

『経営者とは?

稲盛和夫とその門下生たち』

が掲載されています。

 

千葉県木更津市のH社長のお話。

▼実家は非常に貧乏

▼小学4年生の時、 

父親が外に女を作り、家を出た。

▼その後、母から父のところに

 生活費をもらいに行く。

そんな役目を託されたが、

それが嫌で嫌で仕方なかった。

 

「絶対にお金持ちになって、

 父親を見返してやる。

 そして母を楽にしてあげたい」

 

という気持ちで、経営者へ。

 

▼高校卒業後、働いて200万円の

 元手を作り、起業へ。

▼儲かりそうな仕事は何でもしたが、

200万円はあっという間に消滅。

▼そこで出会ったのが自販機事業。

しかし、自販機設置場所の

獲得競争は凄まじい。

奪い合いじゃなく、潰し合い。

▼何とか、売上15億円の会社へ。

▼ただ経営が不安定であるため、

 レストラン事業に乗り出し、

 次は通信事業への進出を計画中。

 

H社長は上記の道のりを

少し誇らしげに思いながら、

稲盛氏や塾生を前に地元の例会で、

30分間の経営体験発表へ。

 

しかし、

稲盛和夫氏はH社長の自信を

こてんぱに打ち砕く。

 

……………………………………………

1つの事業も

きちんとできていないのに、

見切り発車でいくつも

事業をスタートするなんて、

あんたは何を考えてるんや。

 

“シッチャカメッチャカ経営”だ。

 

いいですか、皆さん。

こんな経営をマネしたら、

絶対いけませんよ。

 

普通なら間違いなく倒産です。

潰れなかったのは、

神様があなたを守ったということ。

経営者の使命は、

従業員とその家族を幸せにすること。

自販機の事業を通じて、

それをどのように実現していくのか。

しっかり考え、

本気で経営に打ち込みなさい。

……………………………………………

 

H社長はこの録画を社長室で

何度も見返し、泣き続けました。

 

「この会社は俺の会社だ。

 俺がお金持ちになるんだ。

 俺が幸せになるんだ。

 過去の私は、

 自分のために生きていた。

 そんな会社では、

 従業員は働く意義を感じられず、

 社長の欲望の犠牲になっていくだけ。

 自分のことしか考えていない

 私のような経営者に、

 従業員が誰もついてきてくれない

 のは当然の結果だった。

 自分は何もわかっていなかった。」

 

その後、H社長は改革を断行へ。

▼社内管理体制を一新

▼営業所に持ち帰った商品在庫を

1本ごと毎日照合する。

▼しかし現場の混乱を招き、

 従業員が大量退職へ。

▼これを再び反省し、

「なぜ作業のやり方を変えるのか」

 を営業所長任せにせず、

 社長自ら従業員に言って聞かせた。

▼間接部門の従業員にも、

 コスト構造の見直しの競争原理を

 取り入れた結果、

 従業員が自主的に創意工夫し、

 積極的に仕事に取り組むように。

▼経営が安定したことを契機に、

 福利厚生の充実を図る。

▼退職金制度も改善

▼赤字体質からの完全脱却

 

 

そんなH社長のお姿を見た

稲盛氏から仰天のオファー!

 

京セラ役員幹部の研修会で、

講演してほしい。

 

そんなリクエストだったのです。

 

稲盛氏からすれば、

「京セラ幹部は頑張ってはいるが、

 情熱が不足している。

 生きるか死ぬか。

 瀬戸際で経営している。

 そんな中小企業の社長の

 生の話を聞かせたい」

と考えたとか。

 

講演後のこと。

H社長に京セラ役員から

礼状が届いた。

京都大学など一流大学卒の

自社の役員幹部たちに対し、

中小企業のおやじの話を

3時間半も聞かせる。

 

 

「謙虚にして驕らず」

 

という稲盛氏の理念。

 

H社長は稲盛氏の教えに

触れていくうちに、

ゆがんでいた心が直ってきた。

 

不思議なことに、

父への怒りも和らいできた。

 

離婚というのは、

どちらか一方が悪いのではない。

父には父の事情があったはず。

そう思えるようになった今、

亡くなった父が枕元に出てくる。

「すまなかったな。頑張れよ」

そう言うと、

父はいつも笑顔になるとか。

 

幼少の頃に一緒に遊んでもらった

あの日のように。

 

このエピソードは、

日経ビジネスでも紹介され、

「参考になった」

の投票を98%も獲得へ。

 

人間誰しも欲を無くすことは、

絶対にあり得ません。

大切なのは、欲の質を上げること。

 

小賢しい私欲を捨て、

「真の満足は人の喜びを

 自分の喜びとすること」

という次元に欲を昇華させる。

 

この過程を踏むことで初めて、

経営者は事業を

成長発展させることができる。

 

稲盛和夫氏の門下生を見ると、

再認識させられます。

今日も社長業を楽しみましょう。

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