こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
先日のお話の続きです。
コロナ融資の実質無利子期間終了に伴う
適切なる対策は何なのか?
それは以下の通りです。
▼A案
手持ち資金が心配だから、
このまま借入維持
(金利1.2%で返済へ)
▼B案
3年の実質無利子期間終了と
同時に一括繰上返済
▼C案
プロパー融資で有利に借換
(金利0%台&経営者保証なし)
【A案】は基本的にお勧めできません。
結局は、現状の延長線上の無策です。
手持ちキャッシュ(=手ガネ)が
潤沢なら、【B案】で良いでしょう。
一部のコンサルタントの中には、
「手ガネは多い方が絶対いいし、
銀行からいつ借りられるか、
わからない。
借りられる時はいくらでも、
とにかく借りておくべし。
金利はある種、
保険料みたいなもの。
損金で落ちるんだから、
金利はもったいなくない。」
という輩もいるようです。
ただいかがでしょう??
この論理はあまりに乱暴ですね。
半分は真実だが、半分は嘘。
私(岩佐)は税理士として、
そう考えています。
手ガネが多いと、
当面の倒産危機は確かにありません。
しかし、管理が杜撰になりがち!
手ガネが多いことで緊張感が欠け、
経営者自身が緩んでくるのです。
その結果、往々にして、
以下の現象が生まれます。
▼ムダな接待交際費
▼杜撰な在庫管理
▼どんぶり勘定の売掛金管理
▼過剰な設備投資
▼本業以外の資産運用投資
(不動産投資や株式投資含む)
などなど。くれぐれもご注意を!!
不透明な経済環境を見据え、
手ガネを確保しておきたいなら、
【C案】をお勧めします。
以下の要件を満たすなら、
積極果敢に銀行交渉へ。
▼役員貸付金&仮払金
⇒ 決算書上に計上なし
▼後継者の存在
▼自己資本比率 30%以上
▼営業利益 5%以上
▼役員報酬 1,000万円以上
3月は各金融機関の営業年度です。
プロパー融資で有利な条件が
引き出しやすいでしょう。
金融庁の指導により、
「4月より経営者保証の制限」
が全国の金融機関に要請へ。
もし経営者保証を取るなら、
金融機関に説明義務が課されます。
実はコロナ融資は別名、
「ゼロゼロ融資」
と言われますが、
「ゼロゼロゼロ融資」
ではないことに注意を!
ゼロなのは以下の2つだけ。
▼金利 … ゼロ
(実質3年間限定)
▼担保 … ゼロ
しかし実務上は、
▼保証人 … ゼロではない
ケースが散見されています。
よって、
コロナ融資からプロパー融資に
借り換えする際には、
▼保証人 … ゼロ
もモレなく交渉して下さい。
代表者個人保証に着目せず、
銀行から融資を受ける行為は、
「リスクと問題の否認」
by ビジョナリー・カンパニー
衰退の五段階
と言えるでしょう。
4月から義務付けられる
金融庁の指導も追い風になるはず。
銀行借入とは健全にお付き合いし、
「衰退の五段階」
とは一線を画すべし。
今日も社長業を楽しみましょう。