こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
2月になりましたね。
所得税確定申告期間も
2月15日からスタートへ。
個人的には、
日本経営合理化協会の
新刊のレジュメ原稿の提出期限が
今月到来します。
昨日は繁忙期到来に向けて、
社内恒例行事の
バースデーサークルを実施しました。
スタッフ一同、
2月も頑張ってまいります。
先日、経済界で大きな話題になったのが、
トヨタ自動車の社長交代です。
創業家の豊田社長(66歳)から
佐藤執行役員(53歳)へ。
豊田社長は創業者の孫。
サラリーマン社長と違い、
「トヨタの永続性」
「古いトヨタを壊すこと」
にひときわごだわったとか。
豊田氏の社長人生は、
リーマン直後の赤字転落から始まった。
その後も米国での品質問題。
東日本大震災など苦難の連続。
ただ結果を見れば、
▼世界販売台数 1.4倍
▼株式時価総額 2倍以上
の実績を上げられました。
豊田氏が社長就任直後の
2009年の講演で引用した。
そんな名著があります。
『ビジョナリー・カンパニー
衰退の五段階』
(日経BP社)
著書はジェームズ・コリンズ氏。
卓越性で評価された企業でも、
衰退したり、消滅したりする。
その過程には、
以下の5つの段階があるとか。
▼成功から生まれる傲慢
▼規律なき拡大路線
▼リスクと問題の否認
▼一発逆転策の追求
▼競合への屈服と
凡庸な企業への転落か消滅
豊田社長はリーマンで
深手を負ったトヨタは当時、
「規律なき拡大路線」
の段階にあったと自省しました。
我々中小企業経営者も、
「衰退の五段階」
には十分注意したいものです。
財務面で「衰退」を考えた時、
経営者なら誰しも
思い浮かべるのは、
「銀行借入金の存在」
でしょう。
この問題から目を逸らせば、
「リスクと問題の否認」
by ビジョナリー・カンパニー
衰退の五段階
に直面しかねません。
メディアの報道では全国に今
“ゾンビ企業”
が多数存在すると言われます。
コロナ融資(ゼロゼロ融資)の
実質3年間無利子期間が終了。
今春より金利1.2%で返済開始へ。
しかしコロナ禍で業績が苦しい
中小企業(=ゾンビ企業)は、
返済ができず倒産の危機へ。
そこで政府は新たに
【コロナ借換保証】
の融資制度を年明けに創設へ。
一部の金融機関では積極的に
営業攻勢をかけているようです。
「おぉ♪ 朗報じゃないの!
無利子期間が終わるから、
どうしようかと迷っていたが、
渡りに船の制度じゃないか!」
そんなふうに考える経営者も
多いかもしれません。
しかし、ちょっと待った!!
私(岩佐)はこの制度に
税理士として警鐘を鳴らします。
確かにメリットはあります。
▼保証限度額:1億円
▼保証期間:10年以内
(据置期間 5年以内)
しかし、デメリットあり。
▼金利:各金融機関の基準金利
(無利子ではない)
▼保証料率:0.2%
▼売上減少要件あり
*セーフティネット4号の認定
↓
売上20%以上減少
(直近1ヶ月とその後2ヶ月間と
前年同期の比較)
*セーフティネット5号の認定
↓
指定業種
↓
売上高5%以上減少
(最近3ヶ月間の前年同期の比較)
*売上高 5%以上減少
↓
最近1ヶ月間と前年同月の比較
*粗利益率/営業利益率 5%以上減少
↓
上記に加え、直近2期の決算比較可
▼金融機関による伴走支援と
経営行動計画書の作成
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経営者のあなたに質問です。
上記デメリットを見て、
何を感じましたか??
この融資制度の
本質を理解できましたか??
この制度の本質は、
“ゾンビ企業を政府の
特別管理下に置きながら、
当面の延命措置を図る”
というものです。
金利も結局のところ、
各金融機関の裁量に委ねられている。
下手をすれば、
ビフォアアフターで考えて、
「保証料0.2%+基準金利
> 無利子期間終了後金利1.2%」
になる可能性もあり。
この融資制度の提案を
金融機関から受けるというのは、
決してプラスに解釈できないのです。
それでは、どうすべきか??
次回に続きます。
今日も社長業を楽しみましょう。