こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の
岩佐孝彦@税理士です。
先日ひっそりと某資産管理会社に対し、
「特別清算開始命令」
の報道がありました。
大塚家具創業家の資産管理会社の
「ききょう企画」
に関する報道です。
現在は大塚久美子氏が
代表を務めていました。
大塚家具はヤマダ電機に買収へ。
その後、大塚久美子氏は
経営不振の責任を取るべく、
大塚家具の社長退任。
現在の大塚家具は
ヤマダ電機の完全傘下。
創業家も一掃へ。
今回の特別清算とは、
どんな法的手続きなのか?
“債務超過の状態”
で解散した株式会社に対し、
裁判所の監督下で行われます。
この背景には、
「社債(=負債)」
の存在がありました。
先代の大塚勝久氏の株式を
買い取るための資金として、
「15億円の社債発行」
を行った。
社債引受人は勝久氏自身。
つまり、
▼先代が資産管理法人に貸付
▼この資金を原資に
資産管理会社は自社株を
先代から買い取る
というお金の流れでした。
大塚家具における
父と娘のバトルの発端は、
この社債に関して。
償還期限が
到来したにも関わらず、
「社債の元来の目的
↓
相続対策と安定株主政策
のための資金
↓
償還期限は自動更新が
できると解釈」
したとして、
久美子氏は勝久氏に償還を拒否。
それに怒った勝久氏が訴訟へ。
この結末はご存じの通り。
ききょう企画は当初、
「大塚具の持株会社」
として設立されました。
当初の株主構成は以下の通り。
▼妻 10%
▼長男 50%
▼長女 10%(注)久美子氏
▼二女 10%
▼三女 10%
▼次男 10% 計100%
このように筆頭株主は、
久美子氏ではなく、
長男だったのです。
また、大塚ファミリー全員が、
創業者利益として、
「大塚家具の配当で
生活できる不労収入」
を得る仕組みでした。
その後、
久美子氏が大塚家具の
後継者になったことで、
▼妻 10%
▼長男 18%
▼長女 18%
▼二女 18%
▼三女 18%
▼次男 18% 計100%
となりました。
さらに、ききょう企画は、
創業者の勝久氏の自社株を
買い取り、
大塚家具の第2位の株主へ。
こうした背景から、
「社債で資金調達」
していたのです。
ただ身内からの資金といっても、
負債に変わりなし。
ききょう企画の
財務状態は債務超過へ。
ヤマダ電機の傘下に
大塚家具が入った以上、
持株会社としての
機能も消滅へ。
結果として、
配当収入も消滅へ。
今回の特別清算の
背景はこんな感じです。
ききょう企画から、
どんな教訓を学ぶべきのか?
▼株主分散は争族の元凶
↓
株式移動のために
お金を動かしてはダメ
↓
事業に関与する
同族ファミリーに
選択と集中を図る
↓
法人税法上の適格要件OK
↓
お金を実質動かさず、
持株会社設立OK
実は、ききょう企画の場合、
父と娘の二者間の
バトルだけで終わっていません。
父側の母と長男を
取締役解任に追い込んでいます。
事業に関与していない
同族ファミリーにまで、
自社株を分散すると、
トラブルは起きやすいのです。
“たわけ者”
という言葉があります。
阿保とか馬鹿者という意味。
ただ語源は以下の通り。
「たわけ = 田分け」
子供たちの人数に応じ、
田畑をどんどん分けていく。
孫の代まで受け継がれていく。
そのうちに各人の面積が
狭くなっていく。
すると、少量の収穫へ。
結果として、家系が衰退へ。
そのような愚かなことをする者を
馬鹿にして、
“田分け者(たわけ者)”
と呼んでいるのです。
自社株については、
経営者も“たわけ者”に
なってはいけません。
持株会社を安全確実に
設立するスキームについては、
昨年12月に岩佐が上梓した
下記教材で詳細解説しています。
↓
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『会社を強くする
資産戦略マネジメント
~ ポストコロナ時代に向けて
会社と社長個人の
お金を賢く残す』
https://www.jmca.jp/prod/11754
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上記教材の第2巻、
「オーナー企業のホールディングス経営
の戦略的展開法」
をご視聴下さい。
上梓したのは昨年12月なのに、、
いまだにしぶとく(?)
ベスト10内に入っています。
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今日も社長業を楽しみましょう。