こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。
ここ最近、相続や事業承継に関するお問い合わせをたくさん頂いております。
「名家三代続かず」、
「長者二代なし」、
「売り家と唐様で書く三代目」、
という言葉があるように、金持ちは三代続かないと言われます。
その要因の一つとして考えられるのが、日本の【高い】相続税。
わが国は、三代経ったら資産を全部召し上げる社会システムです。
来年から、相続大増税がいよいよ始まります。
▼基礎控除4割カット
▼最高税率55%の新設
オーナー社長の個人資産の平均的なウエイトは以下の通りです。
(日本実業出版社データより)
▼自宅土地 47%
▼自社株 16% ★
▼現預金 15%
▼有価証券 6%
▼自宅家屋 4%
▼生命保険金 2% etc.
上記のうち特筆すべきは、★印の【自社株】。
仮に現金1億円を相続して、5000万円の相続税を現金で納付しても、
残り5000万円のキャッシュが手元に残ります。
一方、自社株の場合そうはいきません。
日本の99.7%を占める中小企業の場合、
市場に流通しておらず、換金性のない非上場株式は頭の痛い存在…(汗)
根底には、わが国の事業承継税制の歪んだ構造があります。
確かに近年【納税猶予制度】という事業承継支援税制が誕生しました。
一定の要件を満たせば、発行済株式総数の3分の2まで、
自社株にかかる相続税・贈与税を猶予または免除OKという制度。
しかしながら、この制度の適用は実務上あまり多く見られません。
確かに平成25年度税制改正において、
▼事前確認の廃止
▼親族(外)の承継の対象化
▼雇用8割維持要件の見直し
など適用要件は緩和されたものの、
▼後継者が死ぬまで自社株を保有し続けなければならない
という【継続保有要件】の縛りが背景にあるため、使い勝手がよくない…
これが悲しい実態です。
事業承継税一つ見ても、この国の税制は社会主義思想に毒されている、
そんなふうに読み取れます。
だから、日本には本物の資本家がいません。
欧米には、父親の代、祖父の代で資産を築いた家が資本家になり、
プロの経営者を雇っています。
起業家が資本家になりにくい日本では、
起業家とその末裔である創業家が資産保全を図るため、
外部からプロの社長を雇う、という風土はまだ薄いのです。
日本人として日本国を愛し、日本でビジネスをやってい行く以上、
これ現実だと知るべきです。そんな中でどのように対策を講じていくのか?
今日も社長業を楽しみましょう!