こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の
岩佐孝彦@税理士です。
先日、帝国データバンクより
「過去最多の物価高倒産件数」
の結果が発表されました。
2022年8月までの累計150件。
8月単月でも34件。
(月間最多更新)
業種別で多い順は以下の通り。
▼運輸業
▼建設業
▼卸売業
▼製造業
規模別では、
全体の8割が負債5億円未満の
中小企業です。
▼原材料
▼包装資材
▼運送費
そして極めつけは、
▼賃金
といった具合に全てが上昇へ。
最低賃金31円アップへ。
(10月より)
以前と同じ売上では計算上、
経費が増えている分だけ
利益が下がることになります。
物価高による経済危機の
足音が大きくなっています。
防衛庁長官、
初代内閣安全保障室長を歴任。
危機管理評論家の
第一人者の佐々淳行氏は、
▼自助
▼互助
▼公助
の「危機管理3原則」を提唱へ。
これを経営に落とし込めば、
まずは何と言っても、
【自助】
ですね。
昭和の経営の神様と称される。
そんな松下幸之助氏は、
「不況克服の心得十ヶ条」
の中で、こう説いておられます。
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「責任は我にあり」の自覚を持つ。
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平成の経営の神様と称される。
そんな稲盛和夫氏は、
「経営者として貫くべき12ヶ条」
の中で、こう説いておられます。
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「私なりに努力している」。
これでは熾烈な競争を
勝ち抜くことはできない。
全力疾走でフルマラソンを
駆け抜けよ。
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金融機関もコロナ下で、
単年度赤字は大目に見てくれた。
しかしさすがに、
「2期連続の赤字決算」
はまずいと見るでしょう。
数字は決して嘘をつきません。
物価高倒産が急増と言っても、
結局はとどめを刺されただけ。
実質3年間無利子融資で
資金調達したキャッシュは、
運転資金で枯渇してしまった。
従来より業績が悪く、
企業体力が脆弱だった。
ゆえに今日の物価高を
持ち堪えることができなかった。
稲盛氏の言葉を借りれば、
「私なりに努力している」
では、まだまだ甘いのです。
数字(=結果)がすべて。
何はともあれ、
これに尽きるでしょう。
続いて【互助】です。
互助の精神を持つべきは、
社員でしょう。
稲盛和夫氏は、
「労使が運命共同体となる」
となるために、
「従業員の物心両面の
幸福の追求」
の大切さを説かれました。
最後に【公助】です。
緊急事態宣言以来、
政府はバラマキをしてきました。
しかし中小企業に対する
「弱者救済=受け身の公助」
の施策は厳しくなりそうです。
例えば、雇用調整助成金。
10月以降も延長ですが、
1日あたり上限は3千円カット。
(10月以降1万2千円)
石油元売りに対する、
ガソリン補助金。
11月30円、12月25円減額。
段階的に縮小されます。
よって、【公助】でも、
「成長意欲の高い
中小企業を支援する施策
= 攻めの公助」
を受けるシステムを設計し、
「最小の投資コストで、
最大の投資効果を追求」
することができるか?
人件費を初め、
あらゆるコストが上昇する中、
返済不要のキャッシュである、
▼助成金(社会保険労務士)
▼補助金(中小企業診断士)
▼税制優遇(税理士)
のバラバラ活用で終始せず、
ワンストップで
シナジー効果を追求へ。
この経営戦略を持てるか否か?
今日の物価高ではますます
この差が大きくなるでしょう。
フォーブスより米国トップ5の
経営コンサルタントと称される。
ジェイ・エイブラハム氏に
こんな名言があります。
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不況とは何か?
全員が敗者になる時期ではない。
勝者と敗者を分け、
その差が大きく広がる時期である。
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今日も社長業を楽しみましょう。