こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の
岩佐孝彦@税理士です。
本日は終戦記念日。
この時期になると毎年NHKを中心に、
「太平洋戦争の特番」
が放映されます。
この土日の夜、私(岩佐)は、
『新ドキュメント太平洋戦争
1942大日本帝国の分岐点』
の前編と後編のNHK特番を
2夜連続で観ておりました。
出版業界でも夏になると、
古典的名著の
『失敗の本質』(中央公論新社)
が脚光を浴びます。
この書籍では6つの事例として、
▼ノモンハン
▼ミッドウェー
▼ガダルカナル
▼インパール
▼レイテ
▼沖縄
の戦いに基づき、
6名の学者(野中郁次郎氏他)が
日本軍の歴史的大敗を分析。
その難解さのあまり、
多くの読者が挫折しながらも、
累計52万部を達成。
そして今年は続編として、
『「失敗の本質」を語る
なぜ戦史に学ぶのか』
(日経プレミアシリーズ)
が出版されました。
著者の野中郁次郎氏は、
「ガダルカナルの戦い」
の敗因をこう掲げます。
▼戦略的グランドデザインの欠如
▼短期決戦志向
▼統合作戦の欠如
私(岩佐)の税理士的見地から、
「日本軍の歴史的大敗
⇒ オーナー経営者の
相続税対策の反面教師」
になると言えます。
ガダルカナルの戦いの敗因を
詳しく分析してみましょう。
米軍には、
「ガダルカナル島の攻撃
= 日本本土直撃への足掛かり」
になる。
そんなグランドデザインとして、
明確なる戦略目標の存在あり。
米国には、
「日本本土の直撃による戦争終結」
のシナリオが明確にありました。
ガダルカナル島の攻撃は、
このシナリオから逆算したもの。
その結果、米軍は、
▼陸軍
▼海軍
▼空軍
を統合した水陸両用作戦の展開へ。
一方、日本軍は陸軍と海軍がバラバラ。
太平洋は海軍の担当として、
陸軍はガダルカナル島に無関心。
結果、戦略目的は曖昧になる。
戦争の終わらせ方として、
明確なシナリオも存在せず。
日本軍の作戦は、
状況ごとに場当たり的に対応し、
「独特の主観的積み上げ方式
による戦略策定」
だったと言われます。
戦局が厳しさを増していても、
主観と独善によって、
希望的観測を持ち続け、
曖昧な目的のもとで戦闘へ。
ガダルカナルの戦いでは、
銃剣での突撃作戦に終始した。
これでは、
機関掃銃を装備した
米軍に勝てるはずなし。
「金城鉄壁に向かって、
卵を投げつけるようなもの。
失敗は戦わなくても当然だ」
現地で敗戦した川口少将は、
こう言ったそうです。
オーナー経営者の相続税対策の
反面教師とは何か?
「トップの万一に備え、
家族&社員を守る。
そんな究極の危機管理体制を
設計する」
というグランドデザイン不在のまま、
「まあ、何とかなるだろう。
自分の相続税対策なんて、
まだまだ先の話。
そのうち考えよう」
という楽観的な先送り思考に陥ること。
オーナー経営者の相続税対策は、
損得勘定レベルの話ではありません。
確かにビジネス社会に長年身を置く
経営者が皆知っているのは、
「ビジネスは損することもあれば、
得することもある」
という真実です。
しかしオーナー経営者の相続は、
「相続大増税が到来するから、
節税しましょう」
的な次元で語れる問題では
決してありません。
巷の週刊誌やネットで語られる
相続税対策とは違うのです。
オーナー経営者は公私共に、
社会的責任が大きいがゆえに、
万一の時のダメージは、
あまりに大きくなるリスクあり。
経営者は誰しも頭の中では
「公私混同はダメ」
と理解していても、
「日本の99.7%を占める中小企業
⇒ 経営者個人と法人が
家族を含めて表裏一体」
であるという構造を持つ以上、
「相続という私的な問題がもたらす
ビジネスへのマイナス影響」
が宿命的に顕在化しやすいのです。
それゆえ、国家レベルの戦争同様、
失敗は絶対に許されない。
私(岩佐)は税理士の職業使命として、
そう肝に銘じております。
単なる損得勘定を超えた、
グランドデザイン(=戦略目標)を
綿密に設計していきましょう。
日本軍の歴史的大敗の要因として、
「短期決戦志向」
も挙げられています。
短期志向は、
▼攻撃重視
▼決戦重視
の考え方にも相通ずるそうです。
他方で、
▼防御
▼兵力の補充
▼兵站の補給
を軽視する傾向があったとか。
敵軍に勝利したら、
そこから物資を奪取すればよい。
日本軍にはそんな思考的な
組織風土があったとか。
ガダルカナル作戦のみならず、
インパール作戦の元凶も、
すべてこの組織風土に起因する。
その結果、膨大な戦死者という
悲劇を生みました。
そのため、戦争が長引くにつれて、
当然ながら短期志向は、
脆さを露呈します。
それと同様に、
企業寿命が長くなるにつれて、
目先の利益志向だけでは、
経営基盤に脆さが露呈します。
だからこそ、
「長期決戦志向」
に基づき、
「防御=究極の危機管理体制」
を設計しなければなりません。
夏は世間もバカンスモードで、
広告効果も上がりにくい。
防御を固めるのに最適な時期。
経営者として、
「プライベートも含めた
究極の危機管理体制の整備」
を考える時間を作りやすい。
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今日も社長業を楽しみましょう。