こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の
岩佐孝彦@税理士です。
前回ブログのお話の続きです。
木下勝寿氏はこう言います。
…………………………………………………
多くの経営者は
「売上を上げるには投資が必要」
と思い込み、
手元資金がないのに
銀行などから借入をして、
設備投資をする。
手元資金がないのに、
借金をして投資するのは、
「永続的経営」
と果たして言えるのだろうか。
無収入寿命を延ばす。
この考え方は、
松下幸之助氏が言う
「ダム経営」
と同じなのである。
…………………………………………………
北の達人コーポレーションの
無収入寿命は一体いくらなのか?
何と、24ヶ月!
売上ゼロが2年続いても、
人件費や家賃等の固定費を賄える。
そんな潤沢な現預金を
保有しているとか。
計算式は以下の通り。
▼無収入寿命
=(A)純手元資金
÷ (B)月額固定費
▼(A)純手元資金
= 純資産△固定資産
△棚卸資産△流動負債
▼(B)月額固定費
= 人件費+家賃+光熱費
24ヶ月という数字は驚異的!
しかし、
私(岩佐)が24ヶ月を
目標値といきなり言えば、
こんなお叱りを受けるかも??
「24ヶ月なんて、
中小企業には不可能だよ。
北の達人か何か知らないけど、
上場企業の話をされても、
ピンとこないよ。
税理士はとかく帳面屋で、
数字だけを語るから困るんだよね。」
ごめんなさい!!
(汗)
ただ、、
北の達人コーポレーションも
2002年設立当時は、
「無収入寿命ゼロヶ月」
の無一文からの出発だったとか。
木下氏も裏技として、
「長期借入金で資金調達」
することを提唱されています。
北の達人も3億円を銀行借入し、
当初は目標を達成させたとか。
この手法は以下の通り。
1つの例で考えてみましょう。
▼月額固定費1000万円
▼現在の手元資金1億円
↓
現在の無収入寿命10ヶ月
↓
目標24ヶ月までの不足額
↓
1億4千万円
▼1億4千万円を銀行借入
↓
一時的に目標達成
▼銀行借入に一切手を付けず、
そのまま口座に置いておく
↓
毎月返済していくだけ
▼毎月500万円の税引後利益
を借入返済原資へ
▼28ヶ月後
↓
銀行借入1億4千万円を
自己資本に入れ替えへ
:
:
:
この手法は恐らく、
経営者の多くが昨年実践済です。
「実質3年間無利子の
コロナ特例融資」
で手持ち資金を厚くした。
これにより、
「無収入寿命が一時的に
飛躍的に伸びた」
という現象が起きています。
コロナ特例融資は、
「最長5年間の据置OK」
の制度です。
しかし、、
あくまでこれは一時的な話。
借金依存体質では、
永続的財務基盤とは言えません。
また、
3年間経過すれば、
無利子期間も終了します。
私共のクライアントからも、
「コロナ融資には基本
手を付けない。
緊急予備資金として
残している」
「実質無利子期間の終了後、
全額繰上返済する予定」
といった声が多く聞かれます。
(拍手!)
3年経過すれば、
金利は0.9%上昇へ。
昨年コロナ融資を利用したなら、
「あと2年の無利子期間で
無収入寿命を延ばす」
という経営努力が大切です。
ポストコロナ時代を見据え、
今から財務体質改善の
手を打っていきましょう。