こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の
岩佐孝彦@税理士です。
橋田壽賀子さんが先日ご逝去されました。
享年95歳。
脚本家として数々の名作を
手掛けてこられました。
「おしん」「春日局」など。
中でも「渡る世間は鬼ばかり」
は1990年スタート。
2011年までの20年。
10シリーズ511話。
歴史に残る連続ドラマとなりました。
ご冥福をお祈りいたします。
「渡る世間は鬼ばかり」
このフレーズを見ると、職業病なのか、
日本の税制を思い起こします。
(汗)
フォーブス世界長者番付で、
2021年日本人2位。
日本最大級の資産家の柳井正氏。
ユニクロを展開する
ファーストリテイリング会長。
柳井正氏は株式公開した理由を
こう語っておられます。
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日本の税制が悪いから、
資金調達のため株式公開しかなかった。
当時は利益の6割が税金だった。
仮に2年続けて、
10億円の利益が出たとする。
すると約6割(6億円)が
「法人税」
「事業税」
「地方税」
などに支払われる。
おまけに前年度の税金の半分の
3億円を当年度の中頃に
「予定納税」
で払わなければならない。
一瞬にして利益の9割が
税金に消えてしまう。
そんな気にさえなるのです。
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ただ上記は1980年代。
当時の法人税率40%以上。
事業税や地方税を含め、約60%。
そんな時代でしたから、
確かに説得力があります。
ただこの30年間で状況一変へ。
英国が50%以上あった
法人税率の引き下げ。
これを契機に先進国による
「法人税率の引き下げ競争」
が巻き起こりました。
法人税率が他国と比べて高いと、
自国企業が税率の低い国に
拠点を移したりするからです。
日本も主要国と肩を並べる水準へ。
現在は法人税率約23%。
事業税や地方税を含め、約33%。
このように、
現行の法人減税の流れを見れば、
「渡る世間は鬼ばかり」
ではなく、
「渡る世間に鬼はなし」
と言えるかも??
(笑)
しかし、そうとも言えません。
法人税率の引き下げが
社会の歪みをもたらしました。
岩村充氏(早稲田大学元教授)は、
「法人税の減税が労働への課税強化」
につながったと批判されました。
個人増税は年々加速し、
「給与所得控除の縮小」
が以下の通り行われたのです。
▼2013年~
年収1,500万円超 上限245万円
▼2016年~
年収1,200万円超 上限230万円
▼2017年~
年収1,000万円超 上限220万円
▼2020年~
年収850万円超 上限195万円
う~ん。やはり、渡る世間に鬼ばかり??
日本の税制に
うまく対応していかねばなりません。
今日も社長業を楽しみましょう。