税理士法人トップ財務プロジェクト代表の
岩佐孝彦@税理士です。
緊急事態宣言解除が近づく中で、
明るい報道がありました。
「大坂なおみ全豪オープン優勝」
2年ぶり2度目の優勝。
4つ目のグランドスラムトロフィー獲得。
(拍手!)
大坂選手の優勝メッセージは以下の通り。
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応援して下さった日本の皆様、
心からありがとうございます。
あの蝶も喜んでくれたかな。
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あの蝶??
実は3回戦の第2セット第6ゲーム。
緊迫した試合展開の時のこと。
大坂選手の足首に
オレンジ色の羽の蝶が止まりました。
大坂選手の足元へ、
蝶が舞い降りたのです。
大坂選手はサーブを打つのをやめ、
蝶を手に取る。
ただ今度は大坂選手の顔に
蝶がピタリと貼りつきました。
その後コートサイドに移動し、
蝶を飛び立たせた後、
コートに戻り、プレー再開へ。
観客からは大坂選手の
“優しさ”
に大きな拍手が送られました。
まさに「幸運の蝶」だったのか?
大坂選手は、
最後に優勝を手にしました。
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蝶と言えば、、
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」
のフレーズが有名です。
名ボクサーのモハメド・アリ選手を
形容した表現です。
カッコいいですね。
経営者としては、
こんな立ち振る舞いをしたいもの。
しかし税理士としては、
「(経営者が)蝶のように舞うと、
(国税庁に)蜂のように刺される」
ことが心配です。
(汗)
只今確定申告期間中です。
この期間は所得税だけでなく、
「贈与税」
の申告時期でもあります。
つまり、
「暦年贈与
(毎年110万円以下非課税)」
を毎年繰り返す。
そうして節税した気(?)に浸り、
蝶のようにヒラヒラ舞っているうちに
相続が発生する。
その時に課税当局に、
「待ってました」
とばかりに刺されてしまわないか?
こんな展開を懸念しているのです。
記憶に新しいところでは、
「相続大増税」
が2015年に行われました。
具体的には以下の通り。
▼基礎控除(非課税枠)
⇒ 4割カット
▼相続税の最高税率引き上げ55%
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上記改正により、
相続税の課税割合も2倍以上へ。
凄くインパクトのある増税でした。
しかし、、
相続大増税はこれで終わらない??
まだ続くのか??
正式に内容は決定されていませんが、
「令和3年度税制改正大綱」
にて今後の税制改正の方向として、
【贈与税と相続税の一体課税】
の表記がなされたのです。
現行の税制では、相続開始前
「3年以内」
の贈与財産が相続財産に加算へ。
(注)
孫や子の配偶者など法定相続人
以外への贈与は加算対象外
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3年以内がアウトということは、
4年前や5年前の贈与財産は、
相続財産に加算されません。
ただ将来の税制の方向性として、
「この3年の期間延長」
が検討されているのです。
自民党税制調査会にて昨年、
甘利会長はこうコメントしました。
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相続税と贈与税に関し、
海外ではいつ資産を移転しても、
公平で公正な制度がある。
我が国の税制も、
国際標準に極力沿う形にしていきたい。
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諸外国の加算年数は以下の通り。
▼アメリカ:過去分すべて
▼イギリス: 7年分
▼ドイツ :10年分
▼フランス:15年分
このように、
欧米諸国では2つの税を統合。
累積額に一体的に課税しています。
資産移転の時期によって、
税負担が左右されにくい。
そんな構造になっているのです。
現時点では日本が何年に延ばすのか、
全く決まっていません。
しかし最悪を想定すると、
万一アメリカの形態になれば、
「相続税対策のための生前贈与」
がすべて水の泡になりかねません。
早ければ令和4年度より、
【贈与税と相続税の一体課税】
が施行になる可能性があります。
長期戦略で相続税対策を
考えなければなりません。
今日も社長業を楽しみましょう。