こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
希望の光が見えてきたか??
ワクチンがまもなく完成か??
米製薬大手のファイザーが先週、
臨床試験の初期の結果を発表。
90%以上の効果が認められたとか。
米モデルナも先日、臨床試験の結果を発表。
94.5%の効果があったとか。
もし緊急使用が承認されれば、
ワクチンは直ちに各州に配布へ。
コロナ禍で先が見えないトンネルの中、
“希望”
の萌芽が見え始めました。
:
:
:
経営者の皆さんもコロナ禍の中、
“希望”
の萌芽を見い出すべく、
日々奮闘中のことでしょう。
史上最大規模の緊急経済対策で「3年間実質無利子融資」を利用。
その結果、手持ち資金が潤沢な法人も多いと思います。
この資金をどう活かすか??
経営者の腕の見せ所ですね。
従来は経営者の中から、
こんな声が聞こえていました。
「借金はとにかく怖い。
自己資金で投資し、失敗しても、お金が無くなるだけで済む。
しかし、借金で投資をして失敗したら、借金が残ってしまう。」
確かに一理あります。
借金することで確かに
「金利(=支払利息)」のお金は出ていきます。
しかし、コロナ対策によって、
「3年間は金利ゼロ」
なので、借りたお金を使わなければ、その分は預金として残る。
そこから元本返済をすれば、何も返済に困らない。
金利分の目減りも、3年限定で一切なし。
過去の常識からすれば、
“あり得ない財務状況”
を今得ることができたわけです。
:
:
:
単に万一の保険として、
お金を寝かしておくだけでなく、
「攻めの投資」
に回したいところです。
攻めの投資に際しては、
『アンゾフの成長マトリクス』
で経営戦略を考えましょう。
これはアンゾフ氏により提唱され、
「事業の成長拡大を図る」
という場合に用いられています。
事業を4つのカテゴリに分け、
「既存顧客か、新規顧客か?」
「既存商品か、新商品か?」
の組合せを考えます。
具体的には以下の4つです。
▼その1:市場浸透 … 既存顧客 × 既存商品
▼その2:新商品開発 … 既存顧客 × 新商品
▼その3:新市場開拓 … 新規顧客 × 既存商品
▼その4:多角化 … 新規顧客 × 新商品
:
:
:
我々経営者に対し、「一本足打法」のリスクを再確認する。
新型コロナ禍は、そんな契機となりました。
このリスクを回避すべく、
「多角化 = 新規顧客 × 新商品」
へ向けて動き出す。
そんな経営者もいることでしょう。
多角化に成功すれば、事業のリスク分散が図れます。
1つの事業がダメでも、別の収益の柱がある。
こんな状況が作れれば、“不況抵抗力”のある組織になれます。
しかし、これは非常にリスクが高い!
よく見られるのは、製造業などの飲食業への進出です。
製造業などBtoBの事業モデルの法人が、
「飲食業(= BtoC)」
に進出し、多角化を図る。
こんな例を多く目にします。
飲食業は参入障壁が低い。
そのため、飲食業の経験がなくても、料理人を雇い、
多角化を図りやすいのです。
しかし、なかなかうまくいかないケースが大半です。
多角化の場合、既存事業から設備や人材を転用できない。
そのため、投資金額が膨らみがちです。
:
:
:
全国の中小企業の経営者から絶大な人気を誇る小山昇氏。
小山昇氏(武蔵野代表取締役)は、
『5年で売上2倍の経営計画をたてなさい』(中経出版)
の著書の中でこう述べておられます。
…………………………………………………
新規事業を始める際に、
やってはいけないことがあります。
新商品や新サービスを
「新しいマーケット」
に投入することです。
私が以前「飲食店」に手を出して失敗したのも,
「新事業」を「新市場」で行ったからです。
今考えると、
土地勘のない市場で、
経験のない新事業を行うことは「無鉄砲」と言えます。
…………………………………………………
BtoC(対消費者向けサービス)の
法人であったとしても、
飲食業の進出は今後
慎重にならざるを得ないかもしれません。
コロナ下の不況業種の一つに、
飲食業は数えられるからです。
BtoB(対事業者向けサービス)であれば、
なおさら注意が必要です。
今日も社長業を楽しみましょう。