こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
前回のブログの続きです。
だからといって、
「賞与 = インセンティブ」
を導入すれば万事OKではありません。
あなたは「レッパーの実験」を知っていますか??
心理学者のレッパー教授は、
保育園児を3つのグループに分け、
お絵描きをさせる実験をしました。
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▼Aグループ
お絵描きの前に、
「お絵描きをしたら、ご褒美をあげるね」
と言い、お絵描き後にご褒美を与えた。
▼Bグループ
お絵描きの前に、「お絵描きしてね」とだけ言った。
ご褒美のことは何も言わず、お絵描き後にご褒美を与えた。
▼Cグループ
「お絵描きをしてね」とだけ言って、
お絵描き後にご褒美をあげなかった。
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2週間後のこと。
3つのグループの保育園児達に
「何も言わず、どれくらいの園児がお絵描きをするか」
を調べました。
その結果は??
何と!
「Aグループの園児だけが
お絵描きをする時間が短くなった」
のです。
Aグループは、
「お絵描きしたら、ご褒美がもらえる」
という条件付けがされたため、
自発的にお絵描きをしなくなったのです。
レッパーの実験から学ぶべきことは??
「賞与 = インセンティブ」
の付与だけでは、、
自発的に行動する組織風土は
作れないということ。
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日本レーザーのように、
「理念教育をしたうえで、
評価制度と一貫性をもたせる」
ことをしなければならないのです。
組織として例えば、
▼経営理念
▼行動指針
を明確にしたうえで、
『360度評価制度』
を導入する。
社員一人ひとりがお互いに、
「経営理念&行動指針に沿った仕事をしているか」
「協調性をもって仕事をしているか」
などをチェックし合う。
経営者が監視カメラを付け、
社員の動きをチェックする必要なし。
定量要因(売上・粗利益など)だけを
評価の対象にすると、
「レッパーの実験」
のような弊害が生まれやすい。
ただ定性要因(理念浸透・協調性など)
の評価機能として、
「360度評価」
を導入すれば、評価のバランスが取れます。
社員一人ひとりが職場内で、
「親しき中にも礼儀あり」
を意識し、仕事するようになります。
結果として、
▼パワハラ
▼セクハラ
▼マタハラ
などの温床の撲滅もOK。
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近藤宣之氏は日本経営合理化協会の
著書中でこう述べられています。
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「人事」」と「財務」は、
ある意味で経営で最も重要です。
「カネ」は組織が生き延びるため、
目的を実現するために絶対に必要なため、
これをどのように使って、
強みを生かすか、
いかにして資産の回転率を上げるか、
キャッシュを生まない資産を
キャッシュを生む資産に変えるかを
社長は考えなければなりません。
その仕組みを回すのは、
「ヒト」になるわけですから、
人事にかかってくることになります。
「営業力」「技術力」「商品力」
などのコア・コンピタンスとも
いうべきものも他にあります。
しかし、結局そういう強みを生かすも殺すも、
「人事」と「財務」にかかっている。
これを社長は人任せにしてはいけません。
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コロナ下の大変動時代に求められる、
企業の在り方、進むべき方向性を示す。
財務指標としては、
▼自己資本比率60%
▼労働分配率40%
のモデル数値も紹介されています。
素晴らしい書籍で、大変学びになりました。
逆風下に負けないためには、
時流に乗ることが大切です。
10月に入り発表された
「最低賃金の事実上の据え置き」
を契機に人事と財務を統合すべし。
今日も社長業を楽しみましょう。