こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
ワクチンと特効薬が開発され、パンデミックはどこかで収束する。
しかし、以前の経済環境に戻ることはないでしょう。
アフターコロナは『ニューノーマル(新常態)』になります。
経営者の私たちは今、これからどうすべきか??
そんな指針となる名著が日経BP社より出ました。
『いかなる時代環境でも利益を出す仕組み』
サブタイトルは以下の通り。
『 危機の時に必ず業績が 飛躍的に伸びるのはなぜか?』
著者は、大山健太郎氏。
アイリスオーヤマ会長。
名経営者として著名な方です。
「日経トップリーダー」
での連載記事に加筆する形で、このたび出版されました。
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2020年12月期の売上高は、前期対比40%増。
約7000億円を見込んでいるとか。
前期の5000億円から急上昇へ。
マスクの大増産に成功したことが、
今期の飛躍につながったとか。
「運がいい会社だな。
コロナ禍でマスク需要をうまく取り込めたんだな。」
多くの人がそう思うでしょう。
しかし、今回だけではないのです。
2011年の東日本大震災では、LED照明の大増産に成功。
経済危機の時に必ず業績を伸ばす。
大山会長曰く、
「ピンチをチャンスにする経営」ではなく、
「ピンチが必ずチャンスになる経営」の結果だとか。
凄い経営手腕です。
具体的には以下のように述べています。
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アイリスの経営は、ビジネスチャンス優先です。
いつ何どき、目の前にチャンスが出現しても、
すぐに対応できるように、
常に準備をして待っています。
自社の強みに特化する
「選択と集中」
戦略と、
決して機会損失を起こさない
「選択と分散」
戦略の両方を追求してきました。
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「選択と集中」は経営のセオリー。
事業領域を絞り込み、
経営資源を集中投下することで「強い組織」になれる。
そんな意味の言葉が流行りました。
ただ大山氏はこれだけで終わらない。
「選択と分散」
の経営戦略も展開されているのです。
今日のアイリスがあるのは、
オイルショック時の反省だとか。
味方と思っていた問屋との信頼関係が失われ、
一瞬にして利益や販路が消え去る。
そんな経験から大山氏は、
以下のように述べておられます。
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経営において何かに依存することは、
極めて危険であり、
主導権を持つことの重要性を痛感しました。
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その結果、
「メーカーベンダーに転換」
させたとか。
メーカーベンダーとは、
「問屋機能を持った製造業」
です。
メーカーベンダーこそ、
「いかなる時代環境でも利益を出すために必要である」
という確信の下、
「必死に」
経営の在り方を変えたそうです。
製造業というビジネスモデルに
「選択と集中」
を追求しない。
工場の立地においても、
「選択と集中」
を追求しない。
北海道から九州まで8拠点に9工場を所有しています。
「選択と集中」から「選択と分散」へ。
これがコロナ下でも成長できるアイリス経営のキモなのです。
大きな学びとなりました。
今日も社長業を楽しみましょう。