こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
8月に入りましたね。暑中お見舞い、申し上げます。
弊社は今月、スタッフが交代制で夏季の長期休暇を取得します。
法律上当然に認められている、労働者の権利として、
『年次有給休暇』
を各人個々に取得することになっています。
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▼10連休の者
▼バカンスを楽しむ者
▼税理士試験や社労士試験を受験する者
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スタッフそれぞれがプライベートの時間を有意義に過ごします。
さて、あなたの組織の有給取得率はどれぐらいですか??
某著名な経営者の著書にこんなくだりがありました。
…… …… …… …… …… …… …… …… …… …… ……
有給消化率100%にしてはいけない。
100%にすれば、病気の時に有給休暇が使えなくなるからだ。
有給消化率は80%にすべきである。
…… …… …… …… …… …… …… …… …… …… ……
コロナ感染者が再び増えていることもあってなのでしょうか?
こんな議論も世間で見受けられますね。
ただ上記は、専門家からすれば、少し乱暴な意見です。
経営者が労務管理上の常識として知っておくべきは、
『健康保険制度の傷病手当金』
です。
これは労働者が病気で仕事ができず、報酬が得られない場合、
国から賃金の3分の2が労働者に支給される制度です。
法人の負担はありません。国が負担してくれるのです。
具体的には以下の計算式になります。
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直近12ヶ月の各月の標準報酬月額の平均額
× 30分の1 × 3分の2 = 1日の支給額
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傷病手当金は、土日も含めて支給されます。
よって、上記計算式のように「30分の1」とされています。
また、傷病手当金は、
【病欠4日目】より【1年6ヶ月】にわたり支給されます。
実務上は、以下のケースが多いことを知っておいて下さい。
▼傷病手当金が支給されるまでの『待期3日間(連続)』
⇒ 年次有給休暇の取得
▼病欠4日目以降
⇒ 年次有給休暇を使わず、傷病手当金の申請へ
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このように考えれば、、
長期の病欠が心配で、有給を敢えて100%消化しないのなら、
【3日間】
だけ有給を使わないのが正しい考え方です。
4日目以降の病欠は、1年6ヶ月にわたり、
賃金の3分の2は国が保障してくれるからです。
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年次有給休暇は、6ヶ月以上の継続勤務で原則10日です。
そして、6ヶ月経過日から継続勤務年数1年ごとに加算あり。
▼6ヶ月 … 10日
▼1年6ヶ月 … 11日
▼2年6ヶ月 … 12日
▼3年6ヶ月 … 14日
▼4年6ヶ月 … 16日
▼5年6ヶ月 … 18日
▼6年6ヶ月 … 20日
但し、年休権は2年で時効消滅になります。ご注意ください。
今日も社長業を楽しみましょう。