こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
今日のコロナ不況の中で経営者が気づいてしまったのは、
『ストック収入』
を有する組織は優位であるということ。
そんな事実がコロナ禍の中で明らかになりました。
経営には、
▼フロー(流動性)
▼ストック(固定性)
の2面があります。
With コロナ時代に大切なのは、フローを増やしていくこと。
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じゃあ、「全てを変動費(= フロー)」にすればよいのか?
といえば、そういうわけでない。
すべてをフローにすれば、経営上リスクも生まれます。
▼フロー
▼ストック
については、
▼収入
▼費用
の両面がある。
このことを忘れてはなりません。
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まずは、収入から見てみましょう。
収入におけるストックとは??
固定収入ですね。
毎月固定収入があれば、経営は安定します。
コロナ禍で経営が苦しくなったのは、固定収入がない組織でした。
例えば、飲食業の場合です。
今月お客様が来なかったら、収入が途絶えてしまいます。
ただ、コストコ(Costco)はどうでしょうか?
コストコは会員制です。
よって、年会費という固定収入は一定規模存在しています。
これが経営基盤を安定させているのです。
収入のストック化は大切です。
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そうであるならば、
「すべての収入を固定化する」
のがベストなのでしょうか??
これは違います。
収入のストック化の代表企業として、セコムが有名です。
セコムは、セキュリティサービスの大手ですね。
しかし、セコム創業者の飯田亮氏にこんな名言があります。
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人間はストックで食べると、腐る。
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すべてを固定収入にすると、腐ってくるのです。
日本経営合理化協会の場合、その都度参加費を頂く形で、
セミナー事業を展開されています。
この方がスタッフのやる気も上がり、
良質なセミナーを提供できるからだそうです。
一方、法人向けセミナー事業を
「月額固定制」
で展開している会社はスタッフに甘えが生じ、
真剣さが薄れる傾向があります。
だからこそ敢えて、月額固定制にしない。
これが日本経営合理化協会のセミナー事業の方針だそうです。
敬服の限りです。
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サラリーマンも同じでしょう。
年収が安定していても、固定収入しかなければどうなるか?
やる気を失います。
インセンティブが存在し、自分の頑張りにより年収が上下する。
だからこそ毎日、緊張感をもって仕事ができるのです。
また、日々成長もできるのです。
ストックを収入面で考えると、以下の原理原則が見えてきます。
▼経営の安定のためには、固定収入を絶対に持たねばならない。
▼但し、すべての収入を固定化すれば、成長がなくなる。
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次に、費用面から考えてみましょう。
固定費の存在は経営の重荷です。
よって、『固定費の変動費化』はとても大切です。
新型コロナ禍の中で、稼働率が下がったとしても、
変動費化しておくと、その分コストが減ります。
その分、経営は楽になります。
正社員ではなく、外注委託にしておけば、
社会保険料の負担もなく、固定費は圧縮できます。
そうであるならば、すべての労働者を外注委託にすべき?
人件費のすべてを変動費化すべき?
これは違いますね。
外注委託にすれば、組織へのロイヤリティは下がります。
よって、繁忙期に誰も調達できない。
このような問題が生じるのです。
以上を踏まえると、こうなります。
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▼ストックとフローを収入と費用の両面から考える。
▼危機管理の面と成長の面から、両者のバランスを図る。
▼ストックビジネスを基本形としながらも、
フロービジネスの要素を兼ね備える。
▼これこそが経営の要諦である。
アフターコロナ時代へ向けて、
ストックとフローの在り方について今一度考えてみましょう。
ピンチをチャンスに!
今日のコロナ不況を共に乗り越えましょう。