こんにちは、神戸の税理士の岩佐です。
世間で財務分析の指標としてよく用いられる数値があります。
▼ROA(総資本利益率)
▼ROE(自己資本利益率)
▼売上高利益率
▼総資本回転率
▼損益分岐点
上記は【収益性】を示す指標として主に算出されるものです。
上記は決算書上の数多くの数字を組み合わせて計算するように見えると思います。
しかし、なんてことはありません。
収益性の財務分析指標はたくさんありますが、たった一つの数字さえよくなれば「良好」
であると出てきます。その一つの数字とは何か?
▼売上総利益(粗利益)
ここに財務分析の限界があります。
「経営は粗利獲得業」といまれますが、粗利益が全ての儲けの源です。
別の表現をすれば、
「会社の財務上の問題は、粗利益さえ確保できれば何とでもなる」
のです。
安倍政権では今「脱デフレ」の動きを強化していますが、20年以上続いた
デフレ経済の影が中小企業に出ています。
税理士として多くの中小企業の月次試算表を見る中で共通するのは、
▼粗利益率20%以下の収益構造は極めて厳しい
ということ。
経費カットを断行しても、根本的に利益体質に変えるのは難しい。
粗利益はビジネスのエンジンみたいなもの。
この粗利額が十分に確保できなくなると、隠れていた会社の問題点がどんどん噴出
してきます。まさに満潮の時には見えなかった浜辺が引き潮になった時に初めて
顔を出すかのようです。
8月も終わろうとしている今、9月以降の戦いに備え、自社の粗利益の状況を
一度点検してみて下さい。
今日も社長業を楽しみましょう。