こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
緊急事態宣言が出され、1週間経過。
緊急で今すぐ経営者がやるべきことは?
それは以下の2つですね。
▼労務管理
▼資金確保
まさに今、時間との闘いです。
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労務管理について、まず見ていきましょう。
社員スタッフが休んだ場合の取扱いです。
申請期間が本日(4月15日)開始。
そんな助成金がコレ!
【小学校休業等対応助成金】
4月以降も正式に延長されました。
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この助成金の受給チャンスは以下のケースです。
▼小学生以下の子供がいる労働者(ワーキングマザー等)
▼その労働者が子供の休校に伴い、
仕事を休まざるを得なくなった。
▼事業主はその労働者に対し、有給休暇を取らせた。
(注)労基法上の年次有給休暇を除く
▼事業主が労働者に支払った賃金の10分の10を助成
(注)1日あたり上限8330円
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ワーキングマザーをコロナ禍の中でも、
しっかり応援してあげたい。
そんな経営者にピッタリの助成金です。
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もう一つ注目すべき助成金はコレ!
【雇用調整助成金の特例】
この助成金の概要は以下の通りです。
▼誰に?
前年同月対比【5%】以上の売上減少の中小事業者
▼どんな場合?
今日のコロナ禍を理由に、スタッフ社員を
欠勤させ、『休業手当』を法人から支払った場合
(注)休業手当とは?
*スタッフ社員本人の都合ではなく、
使用者の都合で休ませた場合に支払う手当
*労基法上、平均賃金の60%以上を支払う義務あり
▼いくら?
『休業手当』の90%
(注)上記期間に1人も解雇しない場合
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さあ、ここからが士業の腕の見せ所??
(笑)
▼小学校休業等対応助成金
▼雇用調整助成金の特例
この2つの助成金をどう使い分けるか?
その知恵について伝授します。
クライアントの私たちに対する要望は、
詰まるところコレですね。
「良きに計らえ」
つまり、事がうまく運ぶようにしっかり考えてね!
そのうえで、適切に処理してちょうだい!
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かしこまりました。
というわけで経営者にとって、
“最も有利な助成金の取り方”
を教えます。
そのキモは以下の通り。
従業員の属性別に整理しましょう。
▼小学校以下の子供を持つ従業員
⇒ 小学校休業等対応助成金を優先に!
⇒ 【10分の10】カバーOK
▼上記以外の従業員
⇒ 雇用調整助成金の特例を!
⇒ 【10分の9】カバーOK
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両者の助成率を比較すれば…
『小学校休業等対応助成金』の方が、
『雇用調整助成金の特例』より高い。
前者は実質100%の助成率です。
小学生以下の保護者を持つ親であれば、
男女問わず対象です。
よって、ワーキングマザーのみならず、
男性正社員でもOKです。
但し、男性正社員の場合はご注意を!
1日あたり上限8330円では、
100%カバーできないかもしれません。
ただそれでもリカバリー効果はあるでしょう。
(注)
1日あたりの上限額は両者とも同じ
いずれにせよ、小学生以下の子供を持つ社員の休業に
『雇用助成金の特例』
を使うのは、10%の損になります。
これでは100%チャンスを活かせない。
どう申請すれば、最も有利なのか?
制度の内容を精査し、
戦略的に事を進める必要あり。
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『小学校休業等対応助成金』の要件は、
“法人の業績は全く関係なし”
であるのも特徴です。
あくまで従業員本人の都合です。
だから、使い勝手がよいのです。
他方『雇用調整助成金の特例』の要件は、
“法人の売上が前年同月比5%以上減”
です。この違いに注目して下さい。
中学生以上の子供がいる場合はネクストステージとして、
『雇用調整助成金の特例』
で90%のカバーを目指す。
これが申請順位のベストシナリオです。
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両者の共通点も理解して下さい。
よくある誤解は以下の通り。
▼誤解その1
従業員を休ませ、年次有給休暇を取らせればいいだけ。
▼誤解その2
従業員に休んでいる分をとりあえず
給与で払えばOK。
今回の助成金の対象の休暇は、
労基法上の年次有給休暇とは違います。
確かに昨年4月の働き方改革施行法で、
『最低でも年5日以上の有給付与』
があらゆる事業者に義務付けられました。
労基法39条に基づき、
*6ヶ月以上勤務で出勤率80%以上
↓
*年間10日の有給付与
とされます。
しかし、今回はあくまでこれとは別!!
今日のコロナ禍と『働き方改革施行法』を
リンクさせてはいけません。
年次有給休暇は労働者に法律上、
当然に認められている権利です。
よって、そう簡単に侵害できません。
くれぐれもご注意下さい。
この難局を共に乗り越えましょう!