こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
先日のブログで紹介した『貞観政要』では、
太宗のこんなエピソードも記載されています。
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貞観五年のこと。
今のウズペキスタンあたりにあった国が
唐への帰属を願い出ました。
その時の太宗の答えが面白い。
「前の帝王は非常に領土の拡大に努めた。
それによって自分の死後における
うわべだけの名声を求めようとした。
しかし、それによって、人民は非常に苦しい目に遭った。
仮に帝王自身に利益があったとしても、
一般の人民に損があるようならば、
自分は決してそんなことはしない。
この国が帰属すれば、もし何か事件が起こった時に
救わないわけにはいかない。
そのために遠いところまで軍隊を送ることになれば、
どうしても人民を苦しめることになってしまう。
人民を苦しめて、自分の国を大きくする。
これは我の望むところではない。」
そう言って、家来になりたいという国
に対し、その申し出を断っている。
なんぼ向こうが頭を下げておっても、
安保条約を結んだら、こちらの負担になるということですな。
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この逸話から学ぶべきことは何か??
『事業規模拡大 = 経営者のみならず、社員の幸せ』
この図式が成り立つのか自問自答すべし。
そんなメッセージを感じます。
規模拡大は経営者の単なる自己満足なのか?
近年活発化する、中小企業のM&A市場。
これは、買い手側への警告にもなるでしょう。
法人を買収し、事業拡大の道を歩む。
これが本当に永続の道を歩んでいく中で正しいと言えるか?
十分吟味せねばなりません。
ただこうした規模拡大のマイナス面を超え、
他社に出資したいと考えている。
特に【創業10年未満】のベンチャー企業で、
▼革新的な技術を有する
▼自社の経営資源の不足を補完してくれる
▼自社と新製品を共同開発できる
ようなビジネスパートナーが存在する。
その企業に対し、【1000万円以上】
の出資(資金供給)をしたい。
そんな方針の経営者には朗報です。
令和2年度税制改正大綱にて新税制が創設されました。
▼オープンイノベーション税制
*出資額1000万円以上 ⇒ 25%所得控除
(注)
5年以内に株式譲渡した場合や
配当を受けた場合、控除額を益金算入
*出資先企業の要件
⇒ 新規性・成長性のある設立後10年未満の
未上場ベンチャー企業
(注)新設企業は対象外
*令和2年4月1日~令和4年3月31日
までの間に出資し、出資した日を含む
事業年度末まで有している場合に適用
熟慮の上、『貞観政要』で描かれた太宗の理念を超える。
そんな場合は、ビジネスパートナーに出資する場合は是非とも
新税制を活用して下さい。
今日も社長業を楽しみましょう。