こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
先日お話しした似鳥会長の経営戦略からすれば、
「2020年は不動産を買うな!」
と言えそうです。
但し、居住用の賃貸不動産の建設を計画されているのなら、
『令和2年3月31日までの契約』
に向かって急ぐべし。
昨年末に発表の「令和2年税制改正大綱」。
その中で下記の改正が明記されたからです。
▼住宅の貸付に供する建物
▼取得価額1000万円以上
▼上記不動産の消費税の仕入税額控除NO
▼令和2年10月1日以後取得分より適用
▼但し、令和2年3月31日までの契約分は従前どおり
昨年10月1日より消費税率が変更へ。
税率10%になれば、建物などの高額資産を
取得した場合、消費税の還付額が大きくなります。
実は、消費税の還付スキームについては、
国税庁も近年苦々しく思ってきた経緯あり。
居住用の賃貸マンションの場合、
本来は消費税の還付は受けられません。
なぜなら、居住用家賃収入は消費税法上、
「非課税売上」
に該当するからです。
消費税の仕組みとして、
消費税が課税されない非課税売上の場合、
その仕入れに際し支払った消費税は原則、控除できない。
よって、還付の対象になりません。
しかし、例外があります。
消費税が課税される「課税売上」が
一定割合を超える場合、居住用の賃貸不動産でも、
消費税が還付されます。
「課税売上」を政策的に作る。
そのための手段として近年「金取引」
を何度も繰り返し、課税売上を大きくする。
結果、消費税の還付額も大きくなる。
そんな手法が横行していたのです。
「金取引」自体は違法ではありません。
よって、現行の税法では認めざるを得ない。
したがって、税法自体を改正し、
消費税還付スキームをブロックする。
そんな動きが「令和2年度税制改正大綱」で見られました。
但し、あくまでこれは、
居住用の賃貸不動産限定のお話です。
通常の自社ビルやテナントビルの場合は、
従前どおりの消費税計算です。
よって、似鳥会長の不動産投資戦略は、
下記の点で確かに合理性があります。
▼2021年以降なら下記メリットあり
*建築費用が下がる。
*消費税の計算は10%になる。
*よって、還付額が大きくなる。
*不動産投資の費用対効果が劇的に向上する。
不動産は投資額が大きいがゆえに、
キャッシュフローの命運を大きく左右します。
経営判断のキモになりますね。
ニトリの出店計画も以下の通りだとか。
「20年2月期はいったん出店を抑え、
21年2月以降に向けて立て直す」
東京五輪後の不況に備え、
ニトリは着々と準備を進めているのです。
景気動向をどう判断し、経営の舵取りをどうするか?
『企業 = 環境変化適応業』
こんな言葉もあります。
まさに今、経営手腕が問われています。
成功の秘訣は【逆張り】です。
有名なのが、アメリカ投資家の
ウォーレン・バフェット氏です。
2008年のリーマン・ショック時。
金融業界に大激震が走る中、
バフェット氏は逆張りに出る。
ゴールドマン・サックスに50億ドルの大金を出資。
世間を唖然とさせたのです。
バフェット氏にはこんな名言があります。
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分散投資はリスクヘッジではない。
「無知に対するヘッジ」だ。
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これもまた【逆張り】ですね。
集中投資の大御所の言葉には重みがあります。
今年は8月まで日本中が、
オリンピック景気に沸くでしょう。
しかし、経営者は常に未来を見ておくべし。
民衆と同じ目線で浮かれるべからず。
気を引き締めて、2020年を走っていきたいところ。
どんな【逆張りの手】を打つのか?
今日も社長業を楽しみましょう。