こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
ソフトバンクの手法をマネし、中小企業が税効果を得る。
2020年度税制改正にて、もはや不可能になる見通しです。
前回のブログでお伝えした通りですね。
ただ中小企業でも享受可能な「赤字の効用」について
考えてみましょう。大きく2つあります。
1つ目は、欠損金の繰越年数です。
法人税法上の赤字は【10年間】にわたり繰り越しOK。
具体的には以下の通り。
▼平成30年4月1日以後に開始する事業年度で生じた
赤字(欠損金)は、10年間繰越OK
役員退職金などで「特別損失」を計上。
その結果生じた欠損金は翌期以降、10年間繰り越せる。
繰越欠損金の範囲内であれば、
翌期以降いくら黒字を出しても、法人税等ゼロOK。
個人事業(青色申告者)の場合、
赤字の繰越年数は3年です。
▼10年(法人) vs 3年(個人)
この点から見ても【法人減税 vs 個人増税】
のトレンドが読み取れます。
2つ目は、吸収合併による繰越欠損金の引継ぎです。
例えば、繰越欠損金3000万円を有する
B社があったとします。
A社がB社を吸収した場合、
A社はB社の繰越欠損金3000万円を
引き継ぐことができるという規定です。
まさにA社では、
“キャッシュアウトを伴わない節税”
が可能になるのです。
しかし、ここで注意して下さい!
吸収合併に伴う繰越欠損金の引継ぎには、法人税法上、
【5年ルール】
が存在します。
「節税するために赤字会社を買収する」
そんな行為に一定の歯止めをかけるため、
以下の要件があります。
▼支配関係が生じてから【5年】経過後でなければ、
赤字会社を吸収合併しても、繰越欠損金は引き継げない。
赤字会社を買収して、すぐに節税OK?
こんなうまい話はありませんので、ご注意下さい。
ただ経営者として大切なマインドは、
『マイナスをプラスにする』
『ピンチをチャンスにする』
ですね。税務上の赤字の効用を知っておくべし。
今日も社長業を楽しみましょう。