こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
この度の台風被害に遭われた地域の皆様へ
心よりお見舞い申し上げます。
試合前のミーティングでのこと。
「この試合は私たちのためだけじゃない。
犠牲になって苦しんでいる人たちのものでもある。
今日の試合を実現させるために、床をスポンジで拭いたり、
努力をしてくれる人がたくさんいる。
こうして試合ができることを 感謝している。
こういう試合が日本の人のために必要だと感じていました。」
こんな思いを胸に試合に臨んだ、ラグビーW杯日本代表選手達。
初の8強入りと決勝トーナメント進出へ。
日本中から賞賛の声が挙がっています。
彼らのプレイが被災した方々へ勇気と希望を届けました。
敬服の限りです。
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しかし、台風が到来する前には、
各選手がこうコメントしていました。
プロップ稲垣選手のコメント。
「台風については、コントロールできない。
だから、気にしていない。
芝生が濡れていたりとかに関しては個人の準備だけど、
スパイクを2~3足持っていって、
ポイントの長さを変えたりとかは常に行っている。」
No8の姫野選手のコメント。
「台風が来てますけど、それはコントロールできない。
台風を気にせず、やるべきことをクリアにして、
いい準備をしたい。」
両選手のコメントにもあるように、自然災害は不可抗力です。
最高裁判例(昭和62年7月)では、
下記のように定義づけられています。
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不可抗力は、使用者の責に帰すべき事由に含まない。
不可抗力とは、原因が事業の外部より発生し、
かつ、事業主が通常の経営者として、
最大の注意を払っても、避け得ない事故をいう。
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労基法においても、天災地変による休業の場合、
『休業手当(=平均賃金の60%)の支払いは不要』
とされています。
ただ不可抗力で経営責任を問われないからと言って、
何もしなくてOK??
決して、そうではありません。
防災や危機管理については過去、
偉人たちが多くの名言を残しています。
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▼平時には、心に最悪の地獄絵を描いておくことです。
そうすれば、何が起きても、「この程度で良かった」
と思える。
いけないのは、普段は楽観し、
いざという時に悲観すること。
by 佐々淳行氏(元防衛官僚)
▼雨終わりて道を除い、水枯れて梁を成す。
by 中国古典『国語』周語中
▼人には、大災害はめったに起こらない
という考えが根本にある。
人間は横着で健忘症だから、
起こらないことについ慣れてしまう。
大水害や大地震があると、
当座は防災対策を真剣にやるけれど、
時が過ぎると怠けていく。
そうして、また大きな被害を受ける。
そういう繰り返しがずっと続いてきた。
by 高橋浩一郎氏(気象学者)
▼只事の大きにならざる已然に、
何事も了簡あるべきこと。
by 三井高房氏(三井財閥三代目)
▼災害は、お金のある人のところは通り過ぎ、
お金のない人のところを徹底的にいじめに入る。
by 伊藤滋氏(都市計画家)
▼金の流れというライフラインを守る。
by 吉田正輝氏(元大蔵官僚)
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最後の2つ(伊藤氏&吉田氏)のお言葉は、
お金にまつわるもの。
2つとも、阪神淡路大震災時の名言です。
伊藤滋氏は阪神淡路震災後の国会にて、
上記のお言葉を述べたそうです。
他方、吉田氏は震災当時、
兵庫銀行の頭取でいらっしゃいました。
震災によりオンラインシステムが3日間も止まる。
そんな日本金融界で初めての事態に直面したとか。
その後、懸命の努力で営業を再開。
しかし、その半年後、1.5兆円の不良債権を抱え破綻。
銀行としては戦後初の経営破綻。
吉田氏が兵庫銀行最後の頭取でした。
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「金の流れというライフラインを守る」
これは経営者にとっても、大変重みのある言葉です。
法人が潰れるのは、資金がついえた時。
銀行からどんなに借入しようが、
資金が回っていれば、倒産しません。
カネさえあれば、ピンチも乗り越えられます。
経営において大切なのは、
「万一のピンチに直面した時、
お金を引っ張ってこれるルートを最大限たくさん持つ」
ことです。このお話は次回に続きます。
《追記》
弊社スタッフの税理士Hさんより先日、
急遽有給の申し出がありました。
聞くところによれば…
山口県の保健所に致死処分予定の犬を
引取りに行くためだとか。
昨年亡くなった犬と酷似しているので、
家族全員が飼いたいと言っている。
もし我が家で引き取らなければ、
殺処分されてしまうかもしれない。
だから、どうしても山口県に向かいたい。
そんな事情でした。
もちろん労基法に則り、有給OK!
経営者の枠を超え、同じ愛犬家としてゴーサイン!
無事大阪の自宅に犬を連れて帰れたそうです。
『積善の家には余慶あり
積不善の家には余殃あり』
善行を積んだ家には慶び事があり、
悪事を重ねた家には災難が及ぶ。
そんな意味の言葉です。
関東大震災で苦しむ当時の人々に対し、
浄土宗大僧正の道重信教が毎日の修養法を
こう説いたのです。
今回被災地では生命の尊さが叫ばれています。
一つの生命を救ったH家には、
きっと福がもたらされるでしょう。
被災地の皆様におきましても、
一日も早い復旧を祈念しております。