こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
皆様におきましては、10連休いかがお過ごしでしょうか?
わが社には税理士試験や社労士試験の挑戦組が5人ほどいます。
彼らはしっかり勉強していることでしょう。
さて、4月1日施行の年次有給休暇の取得義務は、
人手不足のご時勢に逆行する??
なぜ、政府はこの施策を義務付けたのか??
表の目的は【有給休暇の取得率の向上】です。
日本の年休消化率は約50%。
この数字は、先進国の中でワーストです。
しかし、裏の目的があります。それは何か??
【生産性の向上】
5日間の年休取得義務は、
生産性にどんな意味を持つのか??
年間の所定労働日を230日とします。
年休5日を取得させた場合、
生産性はどれだけ下がるのか??
230日のうち5日分。
つまり、【2.2%】下がります。
1日にあたりの所定労働時間(8時間)で換算した場合、
約【10分】の生産性アップが必要です。
国の思惑としては、
「年間2%以上の生産性向上を目指してほしい。」
ということでしょう。
厚労省においても【2%以上の賃上げ】
を受給要件としている助成金があります。
例えば、2018年度に新設された、
『設備改善等支援コース(人材確保等支援助成金)』
https://roumu-management.com/subsidy5.html
の1年コースが該当します。
生産性を2%上げるためには、どうすべきなのか??
まず考えられるのは、
▼就業規則の見直し
▼勤怠管理の整備
でしょう。
しかし、これらはあくまで【戦術レベル】
の話にすぎません。
こんな社員は、あなたの組織にいませんか?
「労基法が改正されたことだし、
就業規則にも定時が5時30分になってるよ。
5時30分になったから、お先にしま~す!」
ダラダラ仕事をし、
今日やるべき仕事を簡単に明日へ引き延ばす。
表面的には仕事が終わっていても、
中身は間違いらだけ。
それなのに…
「就業規則でこうなっているから、
定時になったから帰ります。」
では組織は腐っていきますね。
社員の物心両面の幸福の追求…
これは絵空事になるでしょう。
生産性を上げるには、
経営の本質論から見直す必要があります。
米国経営学の権威のピーター・ドラッガー氏。
有名な5つの質問の中で以下があります。
……………………………………………………
われわれの顧客とは誰か?
……………………………………………………
この根源的な問いにこそ、
生産性向上のカギがあるのです。
どんな顧客と付き合うのか??
これが生産性向上における【戦略】
の要諦となります。
生産性を上げるとは、別の表現をすればどうなるか?
それは【レバレッジ】を上げることに他なりません。
レバレッジシリーズ累計90万部突破。
本田直之氏の著書の中に、
『レバレッジ・マネジメント』(東洋経済新報社)
があります。この中で以下の記述があります。
……………………………………………………
顧客でない人を見分けているか?
「お客様は神様です」という言葉があるが、
全ての顧客が神様かといえば、
決してそんなことはない。
手間だけかかって売上にもつながらず、
会社にとって良くない「お得意様」
との関係を続けていると、
会社全体のマインドが下がり、トラブルを招く。
(中略)
もしダメにする顧客からの売上が
主要な部分を占めているのなら、
会社の戦略そのものが間違っていないか、
もう一度考え直す必要がある。
会社のためにならない顧客を整理するのは、
経営者の仕事である。
ただ誤解してもらいたくないのは、
顧客を選べるようになるには、
まず自社のサービスをレベルアップ
すべきということだ。
自社を整えてもいないのに、
「顧客を選ぶ。嫌な客と取引しない。」
という態度は本末転倒である。
……………………………………………………
顧客でない人を見分ける。
それを的確に実行できるようになるために、
自社のサービスに磨きをかける。
本田氏の言葉こそ、
生産性を上げる本質なのでしょう。
粗利益の高い仕事を社員がすれば…
最小の労働時間で最大の収益を上げる
経営基盤が必然に出来上がります。
それができてもいないのに…
環境整備だの、就業規則だのというのは、
本末転倒のお話。
『組織は戦略に従う』
アルフレッド・チャンドラー氏の名言です。
戦略が万一間違えれば、
組織の生産性はどんどん下がっていきます。
逆に言えば…
現在生産性が低い組織であっても、戦略を見直せば、
2%以上の生産性向上はすぐに可能になります。
そうすれば、年休5日以上取得させても、
問題は生じないはずです。
10連休も怖くない??
人手不足時代化の働き方改革法施行に
負けない組織をいかに設計できるか?
経営手腕にかかっていますね。
平成の時代も明日で終わりです。
令和の時代へ向けて、社長業を楽しみましょう。