こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
2019年度税制改正大綱の中で、今日は『住宅ローン控除減税の
3年延長』について紹介します。
今回の税制改正大綱の柱は、消費増税対策です。
来年10月より10%になる旨が正式に明記されました。
そこで、平成31年10月1日~平成32年12月31日までに
居住の用に供した場合、所得税の減税期間を従来の10年から
3年の延長とし、計13年となりました。
一般住宅における住宅ローンの減税額については、
以下のいずれか少ない額となります。
▼年末残高(上限4000万円)×1%
▼{住宅購入額-住宅に含まれる消費税額}(上限4000万円)
×2%÷3
しかし、私どもは顧問先のお客様に対し、このようにアナウンス
しなければなりません。
「この税制改正は一般大衆向けのメニューなので、
経営者の皆さんにおいてはスルーして頂いて問題なし」
住宅ローン控除というのは戦後、長期間続いてきた政策です。
もともとマイホームは、上流階級の人だけが保有できるものでした。
なぜなら、庶民は高くて手が出なかったからです。
しかし、ここで銀行と保険会社が登場します。
銀行からお金を借りれば、サラリーマンでも家を買うことができる。
住宅ローンを背負ったサラリーマンは、一生けん命会社で働き、
金利を払って、返済してくれます。
万一、世帯主が不慮の事故で亡くなっても、残された家族は安心して、
家に住み続けることができます。
なぜなら、「団体信用生命保険」でお金が戻ってくるからです。
つまり、庶民がマイホームを購入するために、銀行と保険会社は、
なくてはならない存在なのです。
だから、政府は過剰なまでに、これらの業界を保護してきたのです。
以上のように、住宅ローンは元来、庶民のための仕組みであるため、
トップリーダーの経営者は一線を画すべきであると考えられます。
よって、私どもが常日頃より提唱しているのは『社宅化』です。
経営者個人名義の自宅不動産を資産管理法人に売却するのです。
そうすれば、以下の支出が損金計上できます。
▼自宅建物の減価償却費
▼固定資産税
▼ローン金利(完済するまで全額損金計上OK)
今回の税制改正にて、控除期間が13年に延長になったとはいえ、
上記の損金計上効果に比べれば、小さいものです。
しかし、経営者個人から資産管理法人に対し、社宅家賃を支払う必要
があります。でも、心配ご無用です。
役員社宅の家賃計算式は、通達で定められており、世間相場よりも
有利になる結果が多いのです。
但し、床面積240㎡を超える豪華社宅の場合、通達で定める計算式が
適用できませんので、ご注意ください。
経営者にとって、自宅は100%“憩いの空間”ではありません。
仕事とプライベートはボーダレスです。
自宅でも仕事のことを考えている経営者は多いでしょう。
身体は休めていても、頭の中は常に仕事のことを考えている。
そんな宿命にあるのが、経営者なのです。
私どものクライアントは、高収益企業を率いるオーナーが多いため、
特にこの傾向は強く見えます。
よって、社宅化して、自宅不動産にかかる経費を資産管理法人にて
損金計上する。
これは、経営者の日常の動きの実態から考えれば、
合理性はあると言えるのです。
今日も社長業を楽しみましょう。