こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
これから法人が永続&長寿の道を歩む上で直面する課題は、
【人出不足 ~ 労働人口不足】
でしょう。
「とにかく、良い人材を確保したい。
しかし、全く応募が来ない。」
とは現場からよく聞かれる声です。
ただ人出不足は表層的な問題にすぎない。
5年後、10年後の未来は大きく変わるかもしれない。
『「AI失業」前夜~これから5年、職場で起きること』
鈴木貴博氏著(PHPビジネス新書)
この書籍にはこんなくだりがあります。
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「当面の問題はむしろ人出不足だよ」
と現役の経営者たちは私を諭し始める。
「人工知能が仕事を消滅させて、
人が余るようになれば、
我々も人出不足で困らなくなるのだが、
そんな時代は当面来そうにないな。」
そう誰かが言うと、周囲が一斉に爆笑。
人工知能が世界を変える話は、
まだずいぶん先のこと。
そして、現実の経営課題は、
少子高齢化の日本社会の中で、
デフレの圧力を抑えながら、
どうやってビジネスを成長させるのか。
全く別のことが経営課題なのだと
大半の経営者は考えている。
しかし、現代社会の抱える諸問題は、
人工知能と切っても切れない状況にある。
*なぜ、富の格差が広がっているのか?
*なぜ、非正規雇用は増え続けるのか?
*なぜ、働き方改革が叫ばれるほど、
現代の職場は忙しくなっているのか?
*なぜ、生産性をいくら上げても、
年収は増えないのか?
これらの背景には人工知能が存在し、
その原因を作っている。
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これから5年間は、
経営者としてアンテナを張っておくべきは、
【AI時代の到来】
かもしれません。
5年先など、大した変化が起きないのではないか?
私(岩佐)もそう思っていました。
ただ日産・ルノー連合は、
2022年にはレベル5の完全自動運転車を
市場投入する目標を掲げています。
歴史を振り返ってみても、
1995年に発売されたデジカメは、
「あれは、おもちゃだ」
と酷評されましたが、5年後には…
デジカメの画素数は200万画素へ。
フィルムメーカーの本格的な衰退を
もたらすことになりました。
本当に今、現実の世界は、
想像以上に速いスピードで動いています。
法人の永続・長寿の道を歩むには、
このスピードに絶対食らいついていかねば
なりません。
人出不足時代に採用コストを
多額に投下し、人材獲得競争へまっしぐらに突き進む…
こうした経営努力も重要ですが、
これだけではレッドオーシャンの世界へ??
ブルーオーシャンの世界へ行くには、
人出がそもそも不要なAIの活用戦略を見据えるべし。
AI時代にいち早く備え、
ブルーオーシャンの世界に行きたい。
そんな先見性のある経営者に朗報です。
平成30年度税制改正において、
新たな優遇税制が誕生しました。
IT投資促進税制の15年ぶりの大改正!
新税制の名は【IoT投資税制】です。
正式名称は『情報連携投資等促進税制』。
この対象設備例は以下の通りです。
*データ連携・分析に必要なシステム
(サーバー・AI・ソフトウェア)
*データ収集機器(センサー等)
*データ解析により自動化するロボット工作機器
*サイバーセキュリティ対策製品
詳細は以下の通りです。
▼革新的データ活用計画に従って取得した
ソフトウェア・機械装置・器具備品の新設 or 増設
▼上記の取得価額5000万円以上
▼投資年度より達成が必要な生産性向上目標
*労働生産性:年平均伸び率2%以上
*投資利益率:年平均15%以上
▼取得価額の30%の特別償却
or
取得価額の3%の税額控除
(賃上げを伴う場合は5%の税額控除)
(注)上限:法人税額の15%
(賃上げを伴う場合は上限20%)
▼平成30年4月1日以後開始事業年度より
平成33年3月31日までの期間
この優遇税制の適用を受けるには、
セキュリティ対策が講じられたことについて、
専門家の確認を受けることが必要です。
ご注意ください。
対象の投資額が5000万円以上となっていますので、
まだ活用する企業は少数かもしれません。
ただ期限は実質あと3年あります。
経営者の皆様におきましては、
頭の片隅にでも置いてもらえれば結構です。
1400年続いた金剛組が、
銀行借入依存体質に陥った要因は、
人件費(固定費)の負荷でした。
寺社建築ごとに機動的に柔軟に職人を確保していた
経営手法が、組織の近代化により通用しなくなった。
その結果、株式会社化により、
法的に義務付けられた従業員の安定雇用
が経営の足かせになったのです。
【経営の最大の固定費 = 人件費】
とどう付き合うか?
金剛組の教訓から学ぶことができます。
AI時代の到来は、
経営者にとってチャンスとも言えます。
ただ今日は高松建設の傘下に入ったとはいえ、
1400年以上続いた社歴はお見事です。
▼蝉の寿命 … 7日
▼金剛組の寿命 … 1400年(511,000日)
両者には天と地の差があります。
最後の当主39代目の利隆氏は、
1400年も存続できた理由として、
『創業家の遺言書』の重要性を強調されていたとか。
遺言書の教えを踏まえた『幹部17条憲法』
の中にはこんな記述があります。
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▼職学、稽古また押具足考について、
陰陽五行の定様の故実、
神社仏閣から俗家まで、
儒教、仏教、神明の三教の考を
よく考え、心得なさい。
▼読書、そろばんの稽古をせよということ
について。
これは職家で一番必要なことなので、
余念なく、一心に修行に励みなさい。
▼身分以上の華美な服装はしないこと。
▼内人、弟子に至るまで目下の人には
深く情けをかけ、
穏やかな言葉で召し使なさい。
▼何事も諸事万端取引してくれる方々へは
無私正直に対応しなさい。
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さすが、1400年の社歴を誇る企業の
家訓ですね。重みが違います。
私たち現代の経営者にも、
そのまま当てはまります。
特に、読書とそろばんの稽古は一番必要と
戒めるくだりは胸に響きますす。
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『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』
ドイツ名宰相のビスマルクの名言の域に
近づこうとすれば、経営者に読書は必須!
『銀行借入依存体質と一線を画す財務体質』
この領域に近づこうとすれば、
経営者にそろばん勘定は必須!
あと高級車や高級腕時計などの見栄消費は、
ほどほどに…
社員をもっと大切にする…
上得意客との取引に誠心誠意対応する…
などなど自戒の念をもって、
かみしめなければなりません。
高松建設傘下の金剛組は今、見事に黒字復活を果たし、
再建を果たしているとか。
1400年続いた金剛組の精神は永遠に。
爪の垢を煎じて飲ませて頂きます。
今日も社長業を楽しみましょう。