こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの
岩佐孝彦@税理士です。
イチロー選手に関する、GW期間中の衝撃のニュース。
今シーズンは試合出場なし。
会長付特別補佐として、マリナーズとの終身契約。
これで、日本球界復帰の可能性は消滅。
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この報道を見たとき、私は哀愁を漂わせながら、
愛犬イチローとウォーキングに出かけました。
(笑)
しかし、引退ではないとのこと。
来年3月の東京ドームで行われる大リーグ開幕戦。
この試合が『男の花道』となる??
今から照準を合わせ、来年3月の開幕戦から逆算し、
自己調整に臨む。
そして、本番では華々しい活躍で日本ファンを魅了する。
そんな結末が待っているのでは??
個人的に楽しみにしています。
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イチロー選手の記者会見を見ていて印象に残ったセリフは、
『フォア・ザ・チーム』
の精神を強調していたこと。
44歳を迎えた今、彼の内面はとても成長したと感じました。
彼はずっと “孤高の天才” と言われていました。
ただ会長付特別補佐の就任会見で、彼はこう言いました。
「大好きなチーム、大好きなチームメイト。
そのチームがこの形を望んでいるのであれば、
喜んで受けたということ。」
今シーズンは選手としてプレーせず、チームに同行し、
チームメイトや首脳陣をサポートする役割を担うとか。
中国古典の『韓非子』。この中で以下の一節があります。
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自分の能力のみで仕事をするのは『下君』。
配下に人材を集め、
知恵を借りて仕事をするのは『上君』。
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イチロー選手は今まで個のプレイヤーとして、
チームを勝利に導いてきました。
しかし近年、選手としての衰えは隠せません。
三振率も急激に上がりました。
全盛期のイチロー選手からは考えられないことです。
ただ選手としては衰えても…
一人の人間として、大きな進化を遂げようとしています。
フロントの人間として、チームの勝利に貢献する役割を担います。
メジャーリーグの世界で、彼は下君から上君へ進化するのです。
新境地に至ったイチローにこれからも大いに期待しています。
愛犬イチローとともに…(笑)
イチロー選手のような『フォア・ザ・チーム』の精神を持つ。
そんな経営者を応援するメニューが今年度の助成金には満載です。
例えば、
▼教育訓練休暇付与コース 最大36万円
(人材開発支援助成金)
があります。
これは社員が教育研修を受けるために有給休暇を与える制度
を導入し、実施した場合に受給できる助成金です。
具体的には、以下が主な要件となります。
▼社外研修を受けること
▼3年間に5日以上の有給教育訓練制度を
導入する旨を就業規則に明記
▼本制度導入後1年間に1人以上に対し、
当該休暇を与えること
etc.
今回のイチロー選手の措置と同じです。
イチロー選手も今シーズンは、キャンプでトレーニングを
積めませんでした。
3月上旬まで、全くオファーがなかったからです。
また、入団直後のオープン戦でも頭部死球による欠場あり。
明らかに今シーズンは、調整不足のまま試合に臨んでいたのです。
よって、来年3月の日本での開幕戦へ万全のコンディション
で出場する。
そのための再調整の措置として、マリナーズ球団から有給休暇
を付与された。これが今回の実態とも言われています。
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同様に、あなたの会社でも、
社員が会社を離れ、自己成長の場に身を置く。
それを応援するために、有給休暇を与える制度を設計するのです。
イトーヨーカ堂やセブン・イレブン創業者の伊藤雅俊氏。
御年94歳を迎えられた人生観が綴られた著書、
『遺す言葉』にはこんな記述があります。
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「お客様は来て下さらないもの」
「お取引先は売って下さらないもの」
「銀行は貸して下さらないもの」
これが私の商売の実感です。
しかし、お客様に誠心誠意を尽くして、
認めて頂ければ、
何の後ろ盾がなくても、
食べていけるのです。
母と兄が身をもって示してくれたのは、
商売の厳しさと同時に、
商売の素晴らしさであり、
商売のありがたさでした。
商業の魅力は、自由であることです。
何ものにも縛られない自由であること。
それは、
「いつ潰れるかもわからない」
という恐怖との緊張関係にあります。
その代わり、
努力すれば発展できるということ
でもあります。
私は生来、人に縛られるのも、
嫌いな人間です。
自分が考えることは、
社員もそう考えるだろうと思い、
社員を必要以上に会社に縛り付けて、
会社に依存しなければ生きていけない
会社人間にならないように、
卑屈にならず、
誇りを持って生きられるように
心がけてきたつもりです。
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この著書を拝読し、感動しました。
社員に『自由』を与え、誇りをもって生きられるようにする。
まさに『教育訓練休暇付与コース(人材開発支援助成金)』
は伊藤雅俊氏の精神に相通じます。
太平洋戦争末期の東京大空襲。
白髭橋を渡った人は助かり、吾妻橋を渡った人は火に巻かれた。
隅田川を超えて逃げる時、渡った橋で生死が分かれた。
父は道楽者で浮気が絶えず、商売は母に任せきり。
夫婦喧嘩が絶えない日々。そんな時、母は便所に籠城する。
それでも、お客様が来れば、涙を拭って笑顔で対応。
商売の鬼だった母。
そして、異父兄の譲氏を人生の師を仰ぐ。
真面目で働き者だったとか。
壮絶な幼少期から体得した商人魂として、
伊藤氏は同書でこうも述べています。
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大切なのは、お客様から出発し、
商品、マネジメントに至る商売の基本が
きちんとできているかどうかです。
経営者も従業員も、
会社は潰れるものだということが
身体に染み込んでわかっていた、
何もなかった時代の緊張感と真剣さを
持ち続けて、
日々の仕事ができているかどうかだと
思います。
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ずしりと重みを感じるお言葉です。
ただ時代は変わりました。
いつ潰れるかわからない会社では、
優秀な人材は確保できない今日…(汗)
ただこの精神を爪の垢を煎じて、
飲ませて頂きたいと思います。
『遺す言葉』は名著です。
タイトル通り、
御年94歳の伊藤氏の最後のご著書になるかもしれません。
経営者の皆様におきましては、是非お読み下さい。
今日も社長業を楽しみましょう。