こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦@
税理士です。
税理士として数多くのビジネスモデルを客観的立場で見ていますが、
やはり大切なのは大儲けを狙うより、“死なない”ビジネスが大切です。
経営においても、死んだら終わりですからね。
そこで、今日の一冊はコチラ!
『潰れないビジネスの教科書』石崎絢一著(KADOKAWA)
それでは、赤ペンチェックを見てみましょう。
▼一説によると、ネットワークビジネス(口コミによる組織販売)で年収2000
万円以上を得られる確率は0.02%。同様に高校野球で甲子園に出場し、ホーム
ランを打てる確率は0.02%。つまり、確率としては両者は同じだそうです。
▼潰れないビジネスの条件
①一見地味である。
②継続的なニーズがあり、中長期的に稼ぎ続けられる
③労働コストが低く、自動化できる
▼アパマン経営、コンテナ経営、コインランドリー経営などの「装置系ビジネス」
では、それほどマネジメント能力を要求されることはありません。
しかも、その装置を増やせば増やすほど収入が増えていく。
▼結局、ビジネスで一番苦労するのは、家賃・人件費・マネジメント・集客。
中小企業の経営者の多くが常にヒリヒリした緊迫した雰囲気を漂わせているのも、
日々これらと向き合わなければならないという重責が原因。
▼潰れないビジネスの5つのポイント
①利益率の高いビジネス
材料や商品の仕入がなく、人を極力使わなくても済み、店舗や事務所が不要で、
広告宣伝費をかけなくても集客できるようなビジネスであれば最強。
②在庫を持たなくてもいいビジネス
ほとんど仕入のないビジネスは仕入や在庫に対するマネジメントから解放される
ため、自動化はさせやすい。整体師や鍼灸師のように施術者の腕や人柄にお客様
がつくようなビジネスは自動化が難しい。
③ブランディングやマーケティングに苦労しなくてもいいビジネス
④高度なマネジメント能力が要求されないビジネス
⑤流行り廃り、景気の影響を受けにくいビジネス
▼継続的に収益が入るビジネスといえば、駐車場経営、トランクルーム経営、
コンテナ経営、バイクガレージ経営といった家賃系ビジネスが王道。
次に、クリーニング店、コインランドリー経営などの人の生活の根幹にかかわる
ビジネスが続きます。毎月決まった収入ではありませんが、日常生活に根付いた
リピート性の高い安定感のあるビジネス。
▼いずれ人は歳を取りますので、いつまでも仕掛け続けないと成立しない
ビジネスに身を置き続けられることは実に大変です。
ビジネスの世界に身を置き、数多くの人たちを見てきましたが、加齢とビジネス
マネジメントを真剣に考えている人が少ない。
ビジネスの世界はプロスポーツ選手ほど加齢の影響を受けづらい面もありますが、
これだけ世の中の動きが速いと、参入している業種によっては、自分の考え方や
ビジネス手法が陳腐化してしまうことも視野に置かなくてはなりません。
▼10年後も20年後も稼ぐためのポイント
①陳腐化しにくいもの(普遍的ビジネス)
②景気によって売上が左右されにくいもの
③運営が自動化しやすいもの
④ビジネスの積み上げ(拡大)が行いやすいもの
⑤加齢による影響を受けにくいもの
▼ビジネスが潰れそうになる2つのケース
①ビジネスが時代に合わなくなったとき
②競合が過剰に増えることによる淘汰
▼最強の組み合わせは「潰れないビジネス」+「儲かるビジネス」
▼ビジネスは大きく3つに分けることができる。
①大当てビジネス … 短期間に大きく儲けることができる
②使命型ビジネス … 自分が生涯かけて行っていく
③潰れないビジネス … 長きにわたり安定経営を行うことができる
▼従来にコインランドリーは、銭湯の横にある、小さくて暗くて古いイメージ。
しかし、最近はコンビニのようなキレイで清潔で明るいコインランドリーが主流
になっており、大型化している。
お客様も学生や単身赴任者、外国人が徒歩や自転車で来店するのではなく、主に
主婦が車に大量の洗濯物を載せて来店するのが主流。
▼コインランドリービジネスはまだ世帯の5~10%しか使われていない状況。
①今後も収入が減り続ける傾向にあり、共稼ぎ夫婦が増える。
②離婚率が増加しているため、単身者やシングルマザーが増える。
③世界でも類のない老人社会の到来とともに在宅介護家庭が増える。
④ますます悪化し続ける空気環境
⑤周りでコインランドリーを使う人が増え始めており、さらに使用が一般化する。
▼コインランドリービジネスが最強なのは次のポイントがあるからだ。
①地域をキレイにする仕事
②主婦や高齢者にもパートとして仕事を提供できるため、地域への貢献できる
③コンビニや美容室と異なり、その地区で成立可能な店舗数があり、味や
サービスで差別化しにくいため、競合の参入が他の業種より自主制限されやすい
④潰れにくいビジネスのため金融機関の支援を得られやすい
⑤トランクルームなどは設置している数以上の収益は得られないが、コイン
ランドリーは流行っている店舗(月商100万円超)でも稼働率20%以下
のため、装置としての稼働余地が断然高い
⑥空白時間を活用し、集荷配達型のランドリー展開などの可能性もある
⑦マシンは15~20年もつので、洗う・乾かすといった機能にお客様が付く
ため、飲食店のように5年に1度のリニューアル不要。
▼コインランドリー経営のモデルパターン
*ランニングコスト(人件費・水道光熱費その他)…売上の25~30%
*街のテナントやロードサイドでの出店の場合、優良店で売上は月60~80万
円程度。地域で定評のあるスーパーの敷地への出店の場合、認知が進み、地域の
利用率が上がってくると、月100万円以上も期待できる。
仮に月100万円の売上があった場合、家賃が月15万円前後。ランニングコスト
を30%とした場合、月30万円。その他運営サポート費(オーナーに代わって
お客様からの電話対応や店舗運営に関わる業務のほとんどを代行)が売上の8%で
合計53万円が月の運営コスト。手取りで47万円残ることにより、年間収入564
万円になる。
▼利回り(年間収入÷投資額×100%)
私たちのスキームでは3500万円程度かけて出店するケースが多く、先ほどの
年間564万円の収入で計算すると、16.1%の利回り。
コインランドリーが潰れないビジネスの最強モデルとは面白い!
着眼点が大変勉強になりました。
今日も社長業を楽しみましょう。