こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
今日の一冊はコチラ!
『成果を生む事業計画のつくり方』平井 孝志、 淺羽 茂(日経文庫)
それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。
▼戦略には、少なくとも次のようなポイントを押さえたロジックを組み込ま
なければならないのです。
1. 誰に対してどのような価値を提供するか、具体的な行動をどのように
組み合わせてそれを提供するのか。
2. 外部環境の脅威や機会と照合したときにそれが実現可能であり、競争
優位を確立・持続できるか。
3. 必要な経営資源をいつ、どのように用意するか。
▼計画通りにいかないからこそ計画が重要
▼事前に計画を立てているからこそ、予期される事象は何かがはっきりし、
今起こりつつある事象が予期せぬことだと判断することができるのです。
つまり、事前に計画を策定することで、予測する能力が高まることになります。
また、計画を策定する際、もし予期せぬ出来事が起こったらどう対応すべきかを
考えておけば、計画策定の行為そのものが、予期せぬ出来事への対応能力を高め
ることにも役立ちます。
▼定期的なフォローアップの仕組みをあらかじめ決めてしまうことです。
経営陣と実行の責任者とで定期的な会合の予定を先に組んでしまい、進捗確認
をせざるをえなくするのです。
▼計画実行のフォローアップは、四半期単位で行いたいものです。
単に売上や利益などの結果のみをフォローするのではなく、活動そのものの
進捗をフォローすべきだということです。
▼プランBとは、実現が困難になりそうな場合、どのように軌道修正すべきか
に関する事前のシナリオだと言えます。
▼計画がうまく軌道に乗らなかった場合、将来の自社の状況、競争のダイナミズム
は想定したものとは異なってしまいます。
戦略の練り直し同様に、これまで計画達成に向けて行なってきた打ち手の後始末も
必要になります。
▼プランBを検討しておくということは、これら不測の事態に慌てふためかない
ように、あらかじめ準備しておくことに他なりません。
▼経営に関わるということは、顧客のみならず、従業員やその家族に対しても
責任を持つということを意味します。
計画策定に関わるものは、不測の事態にも可能な限り目配りをしておく責任が
あるということを強く意識する必要があります。
▼検討する視点としてはVRIO(ブリオと読みます)という枠組みが役に立ちます。
VRIOとは、V(Value、価値)、R(Rarity、希少性)、I(Inimitabilily、模倣困難性)、
O(Organization、組織)の英単語の頭文字です。
つまり、自分たちの強みだと思うものに、ちゃんとした経済価値があるかどうか、
他の企業が持っていない希少なものかどうか、また、それを他社が真似できないか、
そして最後に、強みが社内の組織的な仕組みになっているかどうか。
▼まず「何を」、つまり事業の範囲を変えることです。
▼星野リゾートは、永らく営んできた旅館業に事業をとどめることなく、リゾート
運営という新しいビジネスモデルを構築し、急速に成長しています。
もう一つは、提供の仕方、つまり「どうやって」を変えることです。
製造業でよく言われる「モノ」から「コト」へと、製品を売り切ることから販売後の
アフターサービスなどで儲ける仕組みへの改革が最も注目されています。
▼米国のGEも、早くから航空機エンジンを売り切るビジネスモデルから、エンジンの
利用時間に応じた課金を行うという新しいビジネスモデルへの転換を行っています。
▼組織のムードを、楽観と悲観、健全(前向き)と不健全(後ろ向き)の2×2の
マトリックスに分けてみます。
1つ目の「健全で楽観的」は、基本、良いように思えます。
ただ、下手をすると、事業環境が大きく変化するときには、危うさが顔を出すこと
になります。
▼2つ目の「不健全で楽観的」な組織は、動かすのが一番難しい組織と言えます。
後ろ向きなのに、まあ誰かがなんとかしてくれるという楽観論がはびこる他力本願
の組織、無気力な組織と言えるからです。
▼3つ目は、「不健全で悲観的」な組織です。
このような組織はすべてを他責にしてしまう組織風土を持ち、陰湿な不満が組織の
中に渦巻くことになってしまいます。
計画を実行し成果につなげることのできる組織風土として、最も望ましいのは
「健全な危機感」を持った健全×悲観の領域ではないでしょうか。
そういった企業は、事業環境の変化や、自社の置かれている状況を、常に客観的に
見ることができ、かつ問題や課題を前向きに捉え、計画の実行に向けた柔軟な対応
を行っていけるからです。
今日も社長業を楽しみましょう。