こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
今日の一冊はコチラ!
『「資本論」の核心 純粋な資本主義を考える』佐藤優(角川新書)
それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。
▼勿論、資本主義が人間にとって理想的なシステムとは思わない。
しかし、それに替わるシステムを我々は見出すことができていない。
▼資本主義は、イギリスのエンクロージャ(囲い込み)運動という、
外部からの契機によって生まれた。
▼知識人とは、単に学識をもつということだけでなく、現状を批判的に
とらえることができる有識者のことだ。
▼批判とは、ある基準を立てて、そこから物事を判断、評価することである。
従って、設定した基準に合致するならば、それを肯定的に受け入れることも
批判の中に入る。
▼資本主義は、基本的に労働者階級と資本家階級の労働力商品の売買関係に
よって構成されている。
▼資本家は、余剰価値のすべてを自らの利潤とすることはできない。
土地という制約要因があるからだ。
資本家は、地主に地代を払わなくてはならないのである。
▼元来、土地は、資本によって欠くべからざる生産手段でありながら、
他の生産手段のように資本自身によって、いいかえれば労働によって
清算されるものではない。
▼資本にとっては土地はいわば外部から与えられた生産条件である。
▼土地にあっては、資本は与えられた豊度と位置とを有する一定面積の
土地を借入れて生産しなければならない。
▼より有利な土地を借地する資本家は、平均利潤以上に出るいわゆる
超過利潤を得、かかる土地に対する資本の競争をとおしてそれを地代
として支払わざるをえないことになる。
いわゆる差額地代が生ずるわけである。
▼資本家的生産のおこなわれるところでは、地代はもはや単なる借地料
としてではなく、資本の平均利潤としての余剰価値分配の原理を基礎と
する特別の規定として、一定の法則に支配されながら支払われるものとなる。
▼「資本にとっては土地はいわば外部から与えられた生産条件である」。
この生産条件に資本家も従わなくてはならない。
土地を使用する以上、最劣等地に対しても、地代を支払わなくてはならない。
地代は、地主に対する資本家の譲歩なのである。
▼地代、利子という観念が社会に浸透することにより、資本が利子を生み出し、
土地が地代を生み出し、労働が賃金を生み出すという観念が生じる。
これによって、資本主義の階級関係は完全に隠ぺいされてしまう。
▼経済学批判、あるいはマルクス経済学の知識によって、表面上、基本-利子、
土地-地代、労働-賃金という対応関係にあるように見える資本主義経済シス
テムの姿は錯認で、利子、地代はいずれも労働者を搾取することによってもた
らされることが明らかになるのである。
今日も社長業を楽しみましょう。