こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
先週末は播州信用金庫の社内研修講師として、姫路のサンピアに行きました。
女性管理職50名に対し、『融資して良い会社と悪い会社の見分け方』と題し、
3時間の講義をしてきました。
播州信金さんでは社内職員研修を1泊2日で毎月実施しているそうですが、
サンピアは自然に囲まれた良い場所にありました。これなら研修に集中して
臨むのに絶好のロケーションだと思います。(笑)
金融機関は中小企業の決算書を下記の3つの視点で見ています。
▼当期純利益が黒字か? … PL面
▼債務超過でないか? … BS面
▼営業キャッシュフローが黒字か? … CF面
上記のうち、PL面とBS面は決算書を見れば、一目でわかること。
しかし、営業キャッシュフローについては、決算書を深いレベルで
読みこなさなければなりません。
彼らはお金を貸すのが仕事なので、貸したお金が本当に返ってくるのか?
そんな目線で、私たち中小企業を見ています。
銀行の評価(格付け)を上げるコツがあります。
決算書を下記のようにテコ入れしておけばいいのです。
▼総資産を少なくする
▼流動資産を多く、流動負債を少なく表示する
▼営業利益、経常利益を多く表示する
▼借入金を返済し、少なくしておく
ただ粉飾すれば、格付は上がるかもしれません。
しかし、銀行の目を気にするがあまり、
粉飾して利益があると偽っても…
▼在庫
▼売掛金
▼仮払金
などに消えて、カネがないことになります。
例えば、架空売上によって売掛債権、または過大棚卸資産を計上
すれば、流動資産が増える。
その結果、経常利益が増え、純資産が増えるので、
自己資本比率が上がります。
しかし、キャッシュにプラス効果なし!
また、減価償却をしないという粉飾は、固定資産が販売費及び一般管理
費 に振り替わるか否か?
この違いだけです。
現預金は基本同じで変わりません?
というか…
粉飾すると利益が増えた分、法人税が増え、現預金は減ります…(汗)
そして、財務体質はかえって悪くなります…(泣)
厚化粧して背伸びすると、その分のツケは財務体質にボディブローの
ように後々きいてきます…(汗)
一過性のレベルで銀行から良い評価をもらっても、中長期的にはマイナス
なのです。
今回の講義では地域経済を支える中小企業を支援する信金でも、財務体質
改善の指導ができるようにお話しました。
週末に山々に囲まれた静かな場所で講義ができて、良い気分転換となりました。
今日も社長業を楽しみましょう。