こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
今日の一冊はコチラ!
『あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら』江上治(経済界)
それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。
▼いま日本には1億2700万人の人がいますが、もしそれを100人の村に
縮めるとどうなるでしょう。
▼いちばん残酷なのは、急激な人口減少問題です。
35年後の2050年には子供が13人→10人に、働き手は61人→52人に
老人は26人→39人になります。
▼じつに4分の1が75歳以上の老人です。
▼年収360万円の家庭で年に588万円が必要で、年間の不足額は288万円です。
不足額はすべて借金となります。
▼出ていくお金はさまざまですが、いちばん大きいのは社会保障費です。
社会保障費とは、村から村人への医療や介護に使うお金、そして老人
への年金です。
▼村の老人が増えたことで、この人たちに使うお金が、25年間で3倍に
なっています。
▼残酷なのは、子どもや20代の若者に、この借金のツケを回している事実です。
▼病気で死ぬ原因のトップは「がん」です。
男性では、肺がんがダントツの1位。
女性では、肺がんと大腸がんが1位を競っています。
▼この村には、65歳以上の介護を必要とする老人が、年々、増え続けています。
その老人を介護するのは、夫や妻、子どもなどですが、そのうちの3分の2は
女性です。
しかも、ほとんどが60歳以上で、老人が老人の世話をする「老老介護」と
なっています。
▼この村では、心を病んでいる村人が急激に増えています。
なかでも多いのは、うつ病と認知症です。
老人だらけの社会になったことで特に認知症が注目されていますが、
10年後の2025年には老人の5分の1が認知症になると言われています。
▼借金は国民の稼ぎの2倍以上
2015年末の政府見通しでは、国債残高が807兆円、地方と合わせた
長期債務残高は1035兆円となります。
これは対GDP比で、205%です。国民が1年に稼ぎ出す総額の2倍以上を
借金していることになります。
▼日本がデフォルトする日
家計の金融資産残高が2015年は史上最高の1708兆円となり、国債発行に
よる借金もこの国内貯蓄があるから大丈夫だという声もありますが、
このまま借金が増えていけば遠からず貯蓄残高を超える可能性もあります。
そうなれば海外から資金調達する以外なく、国債金利が大幅に上昇(支払
い負担が増加)する恐れがあり、巨額の債務で日本がデフォルトするリスク
も現実味を帯びてきます。
もう国も社会も頼れないことがはっきりしました。自分は自分で守るしか
ない時代の到来です。
▼82%の人が「老後が心配」
「家計の金融行動に関する調査」でも、金融資産の保有目的は「老後の
生活資金」が67.8%と前回の65.8%より上昇しています。
しかし一方、その老後の生活については「心配である(非常に心配+
多少心配)」は82.7%と前回の81.6%比で上昇しています。
「心配」の理由には、「年金や保険が十分ではないから」が74.9%(前回
73.7%)、「十分な金融資産がないから」が70.5%(前回69.6%)です。
それにしても日本全体に余裕がなくなっていますから、まず定額(4分の1)
を貯蓄に回し、きつくても残りだけで生活する、という貯蓄優先の
習慣をつけないと、お金はたまりませんね。
▼生活は向上しているか
平成26年(2014年)6月に調査した「国民生活に関する世論調査」(内閣府)
では具体的に尋ねています。
「去年と比べて生活はどうか」について、「向上している」6.0%、
「同じようなもの」72.9%、「低下している」20.9%。
前回の調査との比較では、「低下している」の声が約4ポイント増加しています。
▼生活の意識は「中の中」
「生活の程度は世間一般から見てどうか」を聞いたところ、「上」と答えた
人の割合は1.2%、「中の上」12.4%、「中の中」56.6%、「中の下」24.12%、
「下」4.6%でした。
「今後の生活の見通し」では、「良くなっていく」8.9%、「同じようなもの」
62.7%、「悪くなっていく」26.8%。
「今後の生活の力点」を聞いたところ、「レジャー・余暇生活」が37.5%、
「所得・収入」34.3%、「資産・貯蓄」33.4%、「生活費」30.2%となっています。
日本の厳しい現状が浮き彫りにされていますね。
『社長業=環境変化適応業』という言葉もあります。
どんな時代でもビクともしない強固な財務基盤を作るにはどうすればよいか?
経営者の永遠のテーマです。
今日も社長業を楽しみましょう。