こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
本日の一冊はカリスマFPの江上氏の著書です。
『年収1億円手帳』江上治(経済界)
それでは、本日の赤ペンチェックは以下の通りです。
▼H医師は銀行員の息子として育った。父親の影響だろうが、小さい時から数字
に強かった。医師は本来、職人と言っていい。医学知識を持っているのか、
機械や電気の知識、技能を持っているのかが、他の職人と違うのであって、元々
は腕一本で世を渡る人たちだ。この医師という職業は、ほんとうを言うと数字に
明るくない傾向がある。裕福だから、数字(お金)に汲々としなくても生きて
いくことができるのである。何しろ、他の職人より年収が高い。ふつうは2000
万円から3000万円くらいの稼ぎがある。ところが、ほとんどの医師はここで頭
打ちになってしまう。
▼頭打ちにはなるが、金額が3000万円と高いから、特に不満は感じずに日常を
やり過ごしてしまう。銀行に融資を頼めば、たいがい、二つ返事でお金を貸して
くれる業種。もっと稼ごうと、あまり欲を出さないで終わる。
ただH医師は、一人の医師の立場だけに終わるのではなく、その医師たちをマネジ
メントする立場にも身を置いたのである。数字を読み、分析する能力を生かして、
彼らのよりよい生活の設計をする仕事に就いたのだ。
▼毎年手帳を買って「さあ、頑張るぞ」と気持ちを新たに、ささっと初めに開く
のは、たいてい、スケジュールのページである。
そうして初めに書き込むのも、その時点までに決まっている約束、行事、出張の
予定など。初めの1日だけではない。1年間、そのようにして手帳は使われて、
ついに最後まで使われないページがあることにお気づきだろうか?
そう、表紙を開いて、最初に姿を現すページである。いわゆる「見返し」とよばれ
る白紙のページだ。しかし、1ページ目は特別の場所なのだ。何より、ページを
探す方労力が全然いらない。表紙を開けば、そこが1ページ目なのだから、ほと
んど無意識に、そこを開くことができる。
▼経営理念を墨書きした紙を貼り付けた人、今年の目標を書いている人、近々
建てる予定の自社ビルの模型写真を貼った人など。今一番大切だと考えている
言葉やイメージ(写真・絵)を掲示している。以来、私も1ページ目に「1年後の
なりたい自分」として、5つの「1年後に望む状況」を箇条書きにしている。
これを毎日、何回か、手帳を出すたびに見るのである。
▼8割の「ムダな予定」を捨てなさい。「会うのが仕事」と思っているから稼げない。
第一に、スケジュール管理だけの思考回路では、とても稼げる人にはなれない。
第二に、手帳をスケジュール管理だけに使うのは、全く筋違いだし、もったいない
こと。捨てないから、最も重要なことに集中しないまま、エネルギーを分散させて
日々を過ごす結果になる。
▼目的は成果にある。ふるいに掛けて、捨てるのだ。成果、収益に直結する2割を残し、
8割は潔く捨ててしまわなくてはならない。つまり、その日々の行動が「どのような
目的を達成するために」行われているのかという、最も重要な意識がないということ。
この「何の目的で」という意識を欠いた行動は、毎日を、1週間を、1ヶ月を、そして
1年を、見事にバラバラな不連続の集合体としてしまう。
成果が得られない行動は、仕事ではなく、「単なる作業」にすぎない。
▼いきなり「先のこと」ばかりを見るな。「望む結果」は「過去」の集積の上にある。
何よりも私たちが忘れがちなのは、今日、明日、明後日という未来が、昨日まで続いて
きた過去の日々の延長線上にあるということである。
夢を持てば、それがモチベーションになる。頑張る起爆剤になる。そういう夢、ロマン、
必ず成し遂げたい目的。ワクワクと、心躍る何かが、いつも自分の近くにある手帳に
入っていなければ、楽しいではないか。
例えば、確率による発想に従えば、起業はばかばかしいほどリスキーである。
なぜなら、起業する人間の9割が失敗に終わっているからである。こんな世界に自ら
好んで入ろうとする人間は、どこか狂っているとしか思えない。
しかし、新しいことを成し遂げようとする私たちのスピリットは、その確率を超えて、
勇躍、起業に挑戦するはずである。そこにロマンがあり、ワクワク感がある。人間の
素晴らしさがあると思う。
▼できるだけ「大きな手帳」を使いなさい。夢と目的を実現する「武器」なのだから。
行動を「管理する」手帳ではなく、自分の「人生の選択」の道具であり、「夢と目的を
実現する」武器であるような手帳でありたい。自己変革は1冊の手帳から始まると言って
いいのである。
▼「忙しい」のは、先に「目標」を立てるから。「目的」がないから、死にたくなるのだ。
私は自分の経験から、それが「目的」を持ち、達成しようと生きる人と、「目標」に追い
まくられるだけの毎日を暮している人の、決定的な違いだと理解している。
目標だけの生活は、心身をひどく疲れさせるのである。
▼「主体的に」見ようとしなければ、「目的」は見えてこない。
目的と目標は、しばしば混同される。「目的思考こそ重要」と正面から答える。
自分が何のために日々の行動をしているのか、その意味すら、全くわかっていない人が
なぜ稼げるようになるのだろう。
▼積み上げていく思考ではなく、結果(望む結果)から、原因となる自分に毎日の課題を
投げかけ、着実に実現していく思考である。彼らもまた多忙ではあるが、楽しげである
ことは、ボトムアップの人々の比ではない。目的から逆算して、それに到達するに必要な
目標、手段、期限を設定し、日々の行動に具体的に落とし込む。
「手帳」はまさにこれらを実現する武器、ツールとして存在しているのである。
▼「日本一の美容室になる」目的のもとで、「百人の経営者をつくる」目標を立てる
このように、目的、目標、コンセプトが一体となっているわけである。これが同社の
強みになっている。
▼絶対達成できる手帳活用法 ~ 【目的思考】5大ステップ
ここで「目的」と「目標」を混同してしまうと、小さなこと(目標)を成し遂げるため
に、それよりはるかに大きなこと(目的)をクリアしていくロードマップをつくってしまい
かねない。
▼なぜ、それをやるか、やりたいか。「理由」があいまいな人間は弱い。
年収600~800万円くらいの人が一番あいまいである。
与えられた仕事を最も上手にやるのが、この層だからだ。何となく、これ以上稼がなくても
生きていくことができると思っているから、稼ぐ理由も、稼ぎたいという動機も生まれない。
どうにも生活が窮屈な年収300万円なら、野心や欲望がめらめらと燃えてくる。
しかし中途半端なクラスの人は、そうしたロマンさえ心に芽生えない。
▼目的達成の理由、動機がはっきりしている人は、手帳に堂々とそれを書くことである。
しかもその理由、動機を人に見せて、公然とするのがいい。手帳に書き、人に見せることは
社会と約束していることになる。
▼そして「いつまでにやる」と期限を切ることだ。そうすれば知恵がおのずと湧いてくる。
手段、方法もわかってくる。大きな目的には何年かかるかもしれないが、そこに至るまでの
1年ごとに年間の目標を掲げることである。
▼「継続、習慣」はさほど難しくない。人と約束すればいいのだ。
私はまず人と約束することだと考えている。
強制力と同時に、夢を掻き立てる装置を設けておくと、それは継続へのエネルギーになる。
▼「1年間」の目的から「週単位」の目標、行動へ
動かしてはならないのが「目的」である。これさえ明確であれば、この「目的」に到達
する道はいくつもあるはずで、それを1枚の紙の上に表現することなのである。
年間の大枠の中で、現在の行動はどのような位置づけにあるか、今週の行動は「目的」
とどのような関わりを持つか、これらが常に意識されていなくてはならない。
▼「分かち合い」からでしか、本当の仲間は生まれない。
大きく稼ぎたいのであれば、「自ら稼ぐ人」から「稼ぐチームをつくるリーダー」に
変わらなければいけないということだ。「自分に足りないものは何か」「ロードマップ
の実現に向けて何が必要か」を24時間考えながら、自分にはないものを埋めてくれる
人材を選んで、抜擢するのだ。つまり、映画の共演者に引き立て、任せていく。
▼中高時代の部活を思い出してほしい。よほど意志が強くなければ、一人でハードな練習
を何年間も積み重ねることはできないだろう。なぜ、誰もがきつい練習に耐えられたか
というと、仲間がいたからである。ビジネスの世界でも、共に目的を共有する「仲間」、
かけがえのない「協力者」がいるかいないかで、その後の成長が決まってくる。
「個」から「集団」へ。「私欲」から「分かち合う欲」へ。
▼一貫性がないから、ブランド力が上がらない。
▼長い時間をかけて人間関係を構築し、相手を儲けさせるからこそ、そのお礼という形で
紹介を受けるのである。
計算から入ってはいけない。要は、自分の利益ばかり考えると失敗する。
相手の立場をいかに理解するかが、ビジネスをする際の私の最重要項目になった。
▼「与える人」には、何が起こるか
これは損して得とれ、というパターンではない。どこも損をしているところがない。
ウインウインの関係である。「与える」発想、仕組みには、課題を克服していく強さが
秘められている。
▼ライバルをつくりなさい。メンターを持ちなさい。
手帳の中にライバルの名前を書き込み、意識を燃やすこと。
それが継続して頑張ることのできる状況を創っていく。
メンターもライバルも、その存在は自分を客観視する目を与えてくれる。
メンター、ライバルとの距離感を手帳で常に確かめていく。それが継続、永続には必須
である。
▼年収1000万円なら協力者が10人必要だし、年収1億円なら協力者が100人。
年収10億円なら協力者は1000人いる。
ビジネスは人脈で成り立っている。自分一人の力、能力を謙虚に受け止めて、協力者を
増やした人間が、永続して勝つのである。
年度初めにあたり、初心に返る意味で大変良い書籍でした。
今日も社長業を楽しみましょう。