こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。
私は今46歳ですが、40代という年齢を今すごく意識し、意図的に己に負荷を
かけるように心がけています。そこで、今日の一冊はコチラ!
『40歳からの適応力』羽生善治著(扶桑社新書)
本来であれば、6年前の40歳の時に熟読すべきだったのですが…(汗)
日々勝負の連続の名棋士が何を考え、どう40代として適応していこうとしている
のかを学びたい。そんな思いで、今日は赤ペンチェックをしてみました。
▼論語「吾れ十五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲するところに
従って、矩をこえず」
▼「四十にして惑わず」の真意
これは、たくさんの知識を得れば必然的に選択肢も増えるわけで、言葉を変えれば、
悩みの種、迷いの種が増えることを意味しています。
▼15歳にして学問に志を持つ。30歳にしてきちんと自立をする。
50歳にして人生の目的を知る。60の耳順がうとは、きちんと心を傾けて人の話を
素直に聞くという意味、それだけ、60代で人の話をきちんと聞くのは難しい。
70にして…という箇所は、自分のやりたいようにやりたいことを全てやっても、
きちんと分別をわきまえているという意味。
▼将棋の世界は、勝ちか負けか、白星か黒星かという明確な事実を眼前に突きつけられ
ます。グレーゾーンが全くなく、玉虫色の決着もないということは、一局、一局、一日、
一日で完結しやすい面もあります。
▼不安や恐怖があるのが当たり前。
歴史を振り返っても恐怖や不安を感じずに暮らせた時代・場所があったかというと皆無
に等しいはずです。そう考えてしまえば、水や空気があるのと同じように不安や恐怖が
あるのは当たり前で逆に考えなくなります。そのほとんどは実際に起こらないのです。
▼中年だって大志を抱くべき
▼忙しい時ほどたくさんの仕事ができる不思議。
だんだんとスピードに慣れてきて、段取りがよくなる面もあるでしょうし、取捨選択が
必然的に明確になってくる。
トヨタの車の生産工場においては、一つの車種を一つの生産ラインで作っているのでは
なく、いくつもの車種を一つの生産ラインで作っているそうで、この方が効率が上がる
ようなのです。能率を上げていく一つのメソッドである。
但し、たくさんのことを同時にやると力が分散する傾向はあるので、それは注意が必要
かもしれません。
▼マザーテレサは「この世で最大の不幸は、戦争や貧困などではありません。人から
見放され、自分は誰からも必要とされていないと感じること」と言っています。
▼負けることで、ツキと力を貯える
▼気持ちがなかなか上向かないときは、あえて地獄を見る。もちろん、現実の世界ではなく、
映画での世界。オススメは「地獄の黙示録」。舞台は泥沼のベトナム戦争の最前線。
どこまで行っても出口が見えず、希望も見えず、生きることもままならない地獄が見事に
描かれているので、これと比較するとたいていの悩みも瞬間的に吹っ飛ぶ。
▼「万物は流転する」という言葉のように、常に変化はあり続けているはずですが、方向性が
定まらない変化は不安がつきもの。一方で「不易流行」という言葉もある。時代が変わろうと
も環境が変わろうとも変わっていないものある。
▼人間には安全でいたい、安心をしたいという本能があるので、何もしないと変化はしなくなる。
変化を続けるためには、かなり意図的に行わなければならない。自分のことを振り勝っても、
自発的というよりは外側の環境が変わってしまったので、やむを得ず変化をしたケースの方が
多い気がします。
▼自然にブレーキを踏んでいる年代。だからこそ、小さなリスクを取り続けよう。
勇気をもってリスクを取らねばならない年代。
▼現実が幸せすぎると悪夢を見る。
ある芸術家の話によれば、あまりに悪夢が続くので、著名な心理学者の河合隼雄先生に
相談すると、
「それはあなたが現実では幸せすぎるのです。だから夢では失敗する場面を見るのです」
と言われ、救われたとのこと。
羽生善治氏の勝負師としての独特の着眼点は学びになりました。
40代の経営者の皆さん、お互い勝負を賭ける年代ですね。
今日も社長業を楽しみましょう。