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【給与課税】首相の商品券10万円配布問題

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ

税理士法人トップ財務プロジェクト代表

岩佐孝彦@税理士です。

 

石破首相による商品券配布が

批判を浴びていますね。

 

自民党新人議員に対し、

商品券10万円を配った問題。

 

歴代首相の慣例であったとの

話もありますが、

 

「物価高の厳しい状況の中で、

 一般常識とかけ離れている」

 

という指摘は当然かもしれません。

 

公職選挙法や政治資金規正法に

抵触するものでないとの

石破首相の答弁もありました。

 

ただ税務の一般的な実務の世界では、

税理士から見れば、

商品券10万円というのは、

課税関係の問題が

生じかねない論点となります。

 

仮に、

社員に対し、

10万円の商品券を渡したならば、

給与課税の問題が生じます。

 

ただ税務の世界には、

 

「社員旅行1人10万円を超えると

 給与課税である」

 

「社長の高額人間ドックは

 役員賞与の認定課税である」

 

という都市伝説が見られ、

 

本当に給与課税とすべき論点なのか?

 

と疑問を呈したいと論点も存在する。

 

私(岩佐)は税理士として、

そう考えています。

 

経済的利益として、

税務上、非課税の論点は

確かに存在しています。

 

経済的利益とは、

直接の金銭等のやり取りが無い

場合において得た利益です。

 

社員の立場から見た、

経済的利益の論点は以下の通り。

 

▼社員旅行

▼社内宴会

▼車通勤手当

▼出張日当

▼社宅家賃

etc.

 

上記の中で例えば、

社員旅行については税法上、

非課税となる

具体的な金額は示されていません。

 

つまり所得税法基本通達上、

 

「社員旅行は1人10万円を超えると、

 給与課税とする」

 

という明文化はなされていません。

 

具体的な数字が通達に

明記されているのは以下の通り。

 

▼旅行期間

⇒ 4泊5日以内

 

▼旅行に参加した人数

⇒ 全体の50%以上 

《注》

工場や支店ごとに行う旅行の参加は、

それぞれの職場単位で50%以上    

 

具体的な旅行費用については、

 

▼使用者及び参加従業員の

 負担額及び負担割合など

⇒ 総合的に勘案

⇒ 社会通念上、一般に行われる

  レクレーション費用

 

と認められるものは、

 

「給与課税しなくてよい」

 

と明文化されているだけです。

 

社会通念上の金額というのは、

一体いくらなのか??

 

この論点で疑義が生じるがゆえに、

 「1人10万円」

という都市伝説が

生まれているのかもしれません。

 

ここで経済的利益の本質を

考えてみましょう。

 

経済的利益は、

金銭以外の利益享受であるので、

これに税を課するためには、

 

 「それだけの税を払うとする

  金銭と同じ価値を見い出す」

 

ことが必要になるでしょう。

 

金銭であれば、

もらった金銭から税を払う。

これは当然のことです。

 

実際のところ、

上記の社員旅行に関する

基本通達においても、 

 

 「自己都合で不参加の社員に対し、

  金銭を支給する場合、

  不参加者に給与の支給が

  あったものとみなす」

 

と明記されています。

但し、

実際に社員旅行に参加した

従業員の中には、

 

 「会社の要請だから、

  やむなく参加した」

 

 「本音としては、

  旅行に行きたくなかった」

 

という場合もあるでしょう。

 

特に若年層の従業員に

多く見られるかもしれません。

 

にもかかわらず、

 

「1人10万円を超えたから、

 給与課税」

 

とされたら、、、

 

従業員本人は、

堪ったものではありません。

 

 

企業に勤務していることによる

福利厚生の恩典となる訳ですから、

よほどの利益享受でなければ、

自らの懐からの金銭出費として、

納税の意義が損なわれという

考え方もできるわけです。

 

 

所得の意義は、可処分性です。

給与課税というのは、

可処分性が大前提であるはず。

 

10万円の商品券というのは、

世間一般に考えれば、

可処分性が存在します。

 

国民から批判を受けても、

当然かもしれません。

しかし、

使途を定められた所得など、

あり得ません。

 

課税されることが

最初からわかっているなら、

役務や物品の享受などは

拒否する場合も多いでしょう。

 

経営者の親心で、

全社員の親睦を深めようと

しているのにも関わらず、

給与課税という話が出てくれば、

不参加者が続出するかもしれません。

人手不足時代の今、

賃上げ努力だけでは不十分です。

 

経済的利益を初めとする、

 「法定外の福利厚生」

も経営努力として、

今後強化していくべきでしょう。

 

ただ経済的利益はどこまでなら、

非課税になるのか?

この点が重要になります。

 

経済的利益の課税問題は、

顧問税理士と十分協議して下さい。

今日も社長業を楽しみましょう。

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