こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
「人生100年時代」という言葉。
世間にすっかり定着しましたね。
高齢化が進み、
社会保障費の負担が増える。
医学の進歩で健康寿命が延びる。
元気な高齢者が本当に増えました。
特にオーナー社長の場合、
サラリーマンや公務員と違い、
定年がありません。
経営者の場合、
就業規則は適用されず、
労基法で守られていない。
裏を返せば、
自分で自由に定年を決められる。
70歳でも、
75歳でも、
80歳でも、
現役バリバリ。
そんなオーナー社長は多いです。
しかし、
オーナー社長が人生100年時代を
元気に過ごせば過ごすほど、
盲点となっている。
そんな状況について、
税理士法人&社労士法人の
経営者として、
私(岩佐)は問題視しています。
それは以下の論点です。
▼在職老齢年金制度(厚生年金保険法)
▼高額療養費制度(健康保険法)
具体的に詳しく見ていきましょう。
第一の問題は「在職老齢年金制度」。
オーナー社長は現役が長いため、
役員報酬は高齢でも必然的に高い。
結果、65歳に到達しても、
【老齢厚生年金(報酬比例部分)】
を1円も受給できないまま、
歳を重ねていく。
《注》
老齢基礎年金は480ヶ月加入で、
年間約80万円受給できる。
70歳になっても、
75歳になっても、
80歳になっても、
現役でバリバリ働くほど、
老齢厚生年金はゼロ円のまま。
毎月役員報酬(給与所得)から、
厚生年金保険料が天引きされ、
きちんと負担し続けてきたのに、
老後にその見返りを
一切享受できていない。
厚生年金保険料の本質は、
「世代間扶養」
であるにも関わらず、
悲しき実態として、
「第二の税金」
がのごとく徴収されたまま。
第二の問題は「高額療養費制度」。
若い時の無理がたたり、
70歳のオーナー社長が持病を患う。
定期的に通院しているが、
医療費が毎月高額になっている。
医療費が月100万円かかっており、
高額療養費制度を利用した。
ただ役員報酬の標準報酬月額が
100万円であるため、
自己負担額は254,180円。
標準報酬月額が30万円であれば、
自己負担額は87,430円で済むのに、、
標準報酬月額の設計の違いで、
月額166,750円の負担増加へ。
「医療費控除」
は適用できます。
ただ所得税の最高税率は
45%のため、
「254,180円×45%
= 114,300円」
の税効果が最大ありますが、
医療費の100%を
カバーすることは不可能です。
しかし問題は単純ではありません。
報酬をせっかく下げても、
思ったほど年金が支給されない。
そんなケースも散見されます。
それは必要な手続きが
実行されていないからです。
例えば、
標準報酬月額等級表を
正しく見れていない。
他には、
役員賞与(事前確定届出給与)を
加味して正しく試算できていない。
更には、
必要な届出書類を
年金事務所に提出できていない。
また税務戦略上、
【役員退職金を取る前と後】
の報酬月額の設計とも
リンクしてきます。
オーナー社長にとって、
“経営者人生の有終の美”
を飾るシナリオを賢く設計するには、
【税金と社会保険料の一体化】
という、
全体最適の視点が必要不可欠です。
税金と社会保険料に対し、
部分最適で付き合っても、
お金は賢く残せません。
オーナー社長の人生100年時代の
盲点に注意を払うべし。
今日も社長業を楽しみましょう。