こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
大物政治家がついに引退宣言か?
自民党裏金問題の中で、
二階俊博氏が不出馬の意向表明。
御年85歳。
記者会見での質疑応答で、
「自身の高齢が影響したのか?」
との質問に対し、
「おまえもその年がくるんだよ。
ばかやろう。」
と二階氏は答えました。
二階氏の不記載額は3,526万円。
自民現職議員82人中最多額。
個人に係る所得税法の場合、
【包括的所得概念】
が基本とされています。
大原則として、
入金になるものは課税対象へ。
一時的・偶発的・恩恵的利得も
所得に含まれることになります。
あくまで例外として、
「所得税法第9条」
にて非課税所得が定められている。
代表例は出張日当ですね。
一方、法人はどうでしょうか?
法人税法には、
【益金不算入】
という概念があります。
会計上では利益になるが、
税務上では利益にならない。
つまり、法人税がかからない。
そんな考え方です。
経営者にとって馴染みが深い
益金不算入は、
【持株会社が受け取る配当収入】
でしょう。
具体的には以下の通り。
▼完全子会社株式
(株式保有割合100%)
⇒ 不算入割合100%
⇒ 負債利子の控除しない
⇒ 源泉徴収なし
(注1)R5年10月1日以後より
(注2)保有期間6ヶ月未満:
益金不算入割合50%
▼関連法人株式
(株式保有割合100%)
⇒ 不算入割合100%
⇒ 配当を受ける株式に
係る負債利子額を控除
⇒ 源泉徴収なし
個人で受け取る配当収入は、
所得税法上、
【配当所得(総合課税)】
になりますが、
持株会社で受け取る配当収入は、
上記の通り、
【益金不算入(法人税ゼロ)】
になるのです。
R5年10月1日以後より、
源泉徴収も不要になりましたので、
配当支給時のマルマル無税へ。
企業がグループ法人から
受け取った配当は、
法人税の課税対象となる
利益には算入しない制度です。
配当金は税引(後)利益から
支払われるため、
二重課税を防ぐために
こうした制度が設けられています。
【助成金&補助金収入に
法人税等がかからない】
形にすることもできます。
【圧縮記帳】です。
助成金や補助金を受け取った場合の
原則的な経理処理は、
【雑収入(=営業外収益)】
となり、法人税等の課税対象です。
ただ助成金&補助金を活用し、
固定資産を購入した際、
購入金額から補助金等を控除した
金額を取得価額にできます。
つまり、
【固定資産圧縮損】
を計上し、補助金等の収入と相殺。
プラスマイナスゼロにできるのです。
固定資産圧縮損は、
【特別損失】
として計上します。
よって、
営業利益や経常利益に
全く影響なし。
これは課税の繰り延べです。
本来は益金となるものを
翌年度以降に繰り延べることで、
補助金などを活用する際の
弊害をなくすための制度です。
以上、法人税法には特典もあります。
個人の所得と法人の益金。
概念も異なります。
税率構造も違います。
▼所得税 … 累進税率
⇒ MAX55%(住民税含む)
▼法人税 … 比例税率
⇒ MAX33.6%(法人税等実効税率)
日本の事業所の99.7%を占める
中小企業は会社と社長個人が表裏一体。
法人と個人は別個に動いていません。
裏金や簿外収入は論外ですが、
法人と個人の全体最適の視点で
税務戦略を賢く設計して下さい。
ただその際に留意すべきは、
【法人税法132条】
(同族会社の行為計算否認規定)
です。
形式的に合法的な取引でも、
租税回避行為と認定されれば、
税務署長権限で否認できる、
“課税当局の伝家の宝刀”
の存在です。
節税はマネーゲームや数字遊びでは
決してありません。
顧問税理士と
しっかり協議して下さいね。
今日も社長業を楽しみましょう。