こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
ロシアによるウクライナ侵攻から
丸2年を先日迎えました。
1万人超の民間人の命が犠牲に。
ウクライナ国民1,000人以上対象の
世論調査も発表されました。
▼勝利を確信している人の割合
(一昨年5月)80%
(現在) 60%
▼ゼレンスキー大統領を
信頼する人の割合
(一昨年5月)90%
(現在) 60%
また欧米諸国の“支援疲れ”も
指摘されています。
米国からウクライナにこれまで
提供された武器は最新鋭ではない??
性能面から言えば、
戦争を続けるための武器にすぎず、
戦争に勝つための武器ではない。
そんな指摘もされています。
このまま支援がジリ貧になれば、
ウクライナ敗戦も現実に。
また、米国大統領選で
トランプ氏が勝利すれば、
更なる混迷も危惧されています。
日本も対岸の火事ではありません。
ウクライナに対する15億ドルの
世界銀行の融資の保証人は日本です。
ウクライナが弁済不可能になれば、
日本が肩代わりしなければならない。
国際情勢を見ても、
“出口が見えない戦い”
に陥り、
ウクライナ国民も欧米諸国も
疲弊しているのです。
中小企業経営者も同じ。
“出口が見えない戦い”
に日々翻弄されると疲弊してきます。
ここで悲しき実態を紹介しましょう。
帝国データバンクによれば、
以下の通りです。
▼経営者の平均年齢 62歳
▼後継者未決定 65.1%
▼経営者が70歳以上の企業数 245万社
(2025年見込み)
このデータから言えることは、
「62歳になっても、
3人に2人の経営者は
出口が見えていない」
という実情です。
近年は人生百年時代と言われる中で、
65歳定年制のみならず、
「70歳以降も働く…約40%(最多)」
の日本経済新聞の世論調査が先日発表。
しかし、
60歳はサラリーマン社会ではひと区切り。
経営者は定年がありませんが、
60歳を過ぎても、
ウクライナ戦争と同様、
出口が見えない戦いを強いられている。
会社は生き物ですから、
日々色んな問題に直面します。
▼カネの問題
▼ヒトの問題
経営者の時間的リソース全てを
これらに消費してしている。
その結果、日々忙殺され、
出口が見えていないのです。
中小企業経営者があまりに不憫です。
経営者自身が将来に
希望を持てずして、
従業員に希望を
与えられるでしょうか?
会社の出口は3つしかありません。
▼その1 … 上場する
▼その2 … 売る(M&A)
▼その3 … 永く続ける
出口によって、
税務戦略は異なってきます。
ゴールから逆算するのは何事も同じ。
経営には、
【王道】
【覇道】
の2つがあります。
王道とは「質」を追求する経営。
利益重視で顧客数を増やし、
商品を磨く。
これに絶え間ない努力を
続けながらも、
一定規模以上は組織を大きくしない。
そして一定以上の利益が出たら、
従業員に還元していく。
覇道とは「量」を追求する経営。
規模や数を増やすことを目指す。
内部留保を第一に
企業価値を最大限に高める。
自己資本比率は30%以上。
これが最低ラインの財務目標です。
その延長線上で上場を目指す。
企業価値を高め、売却するのも
覇道に含まれるでしょう。
永く続けることを出口とするなら、
王道を追求すべきです。
ただ上場やM&Aを出口とするなら、
覇道を追求すべきです。
出口をどう設計するのか?
経営者のビジョン次第です。
もし永く続けることを目指すなら、
▼親族(内)承継
▼親族(外)承継
によって出口戦略が異なります。
いずれも必須なのは【自社株対策】。
株価圧縮対策は絶対必要になります。
このまま手をこまねいて、
放置するのは絶対許されません。
次世代に禍根を残すのは回避すべし。
日本の税制の歪んだ課税として、
「自社株(非上場株式)の
相続税&贈与税」
の問題があります。
換金性が低いにもかかわらず、
自社株も課税対象なのです。
堅実な黒字経営を長年続けてきた。
その結果、自社株問題が
皮肉にも影となって噴出する。
まさに理不尽な課税と言えるでしょう。
【特例事業承継税制】
を活用するのか?
所有と経営を分離し、
【持株会社】
を設立するのか?
完全なる従業員承継を視野に入れ、
【自己株式(金庫株)】
の施策を取るのか?
答えはあなたのビジョン次第。
まずは、
目指したい出口のビジョンを
顧問税理士と共有して下さい。
そのうえで、
顧問税理士の知恵を借り、
あなたに最適な
「出口戦略のグランドデザイン」
を描きましょう。
この行動は経営者にとって、
何よりの精神安定剤になるはず。
無用な疲弊感から解放されるのは必至。
従業員に希望を与えるには、
経営者自身が未来に希望を持つべし。
ウクライナの平和的解決を祈りつつ、
あなたも出口戦略を明確にしてほしい。
私(岩佐)の税理士としての
切実なる願いでした。
今日も社長業を楽しみましょう。