新年あけましておめでとうございます。神戸の税理士の岩佐孝彦です。
2015年が始まり、相続税の計算ルールが大きく変わることになりました。
税理士として今恐怖におののいています。(苦笑)
基礎控除4割減で相続税の計算するのが今から怖い…(汗)
税金はお金のことを語るうえで、絶対避けて通れない問題です。
日本人としてこれからこの国で暮らしていくならば、否応なく
増税の波にさらされます。消費税、所得税、そして相続税。
近年「年収1000万円でも貧乏人」という話題が週刊誌や雑誌で
よく取り上げられています。
なぜ、年収1000万円プレーヤーが貧乏になるのでしょうか?
その理由は、彼らが額面の給料が上がるにつれて、そのまま支出
を増やしてしまっていることだけではありません。
ここに日本の税制における【累進税率】の問題が隠されています。
累進税率は、所得が高くなればなるほど高い税率が課せられる構造
になっています。
よって、日本では年収が高くなればなるほど相対的に支出を減らして
いかなければ、お金が貯まらない仕組みなっているのです。
しかし人間は弱いもので、年収が高くなるに応じて、例えば年収
が2倍になれば2倍に、3倍になれば3倍と支出を増やしてしまいがち。
これでは、日本の税制の罠にはまっていると言えるでしょう。
事実、内閣府の調査によれば、年収1000万円以上の納税者数は
全体の6.4%に対し、所得税額のシェア41.3%を年収1000万円以上
の納税者で占めています。
つまり、わずか6%の年収1000万円以上の人たちが全体の40%の
税金を負担しているのです。
2014年の世界的なベストセラーになった「21世紀の資本」の著者の
トマ・ピケティ教授はこう言われています。
「不平等解消のための良い方法は、民間資産への累進課税だ。
日本は欧州各国より大規模で経済的にはしっかりまとまっている。
一つの税制、財政、社会」、教育政策を持つことは欧州より簡単だ。
だから、日本はもっと公正で累進的な税制、社会政策を持とうと
決めることができる。」
累進税率は、所得税だけでなく、相続税にも適用されています。
置かれた環境に不平不満を言うのではなく、いかにそれにアジャスト
していくか? 税制面で今年も知恵を絞ってまいります。
今年もどうぞよろしくお願いします。