こんにちは、神戸の税理士の岩佐孝彦です。
昨日の日経新聞にこんな記事が出ていました。
「銀行口座開設 本人確認厳しく」
記事によれば、資金洗浄・詐欺防止のために、例えば健康保険証など
顔写真のない身分証明書で口座を開く場合は追加の証明書の提出を
求める方針とのこと。つまり、原則として顔写真付きの身分証明書での
本人確認が必要になるそうです。
また、法人口座の場合は、口座を開く企業の株主を調べ、不正に使われる
懸念がないか点検することも求める方向とのこと。
確かに最近クライアントから、色んな声を耳にします。
「相続税対策で不動産管理法人を立ち上げるにあたり、法人口座を
開設しようとしたら、同族株主全員の住民票チェックなどの審査で
2週間かかる」
「法人の口座間の資金移動を経理担当者が窓口でしようとしたら、
社長の携帯に確認の連絡が入った」
「インプラント費用として200万円ほど本人が出金しようとしたら、
2時間も確認作業に時間を取られた」
などなど。
何か窮屈な世の中になりましたね…(汗)
実は来年度からの相続大増税などよりも、もっとともっと大事であり、
恐ろしいことが待っています。
それは、
▼マイナンバー制度
昨年【マイナンバー法】と【特定秘密保護法】という法律が 国会で成立。
マイナンバー制度とは、簡単に言えば、
国民一人ひとりに【12ケタの番号(企業は13ケタ)】を割り当て、
氏名、住所、生年月日、所得、税金、年金などの個人情報を一元管理するというもの。
つまり、
▼あなた自身 … 12ケタの番号
▼あなたの会社 … 13ケタの番号
という無味乾燥的な姿にされてしまいます。(汗)
なぜ、このことが恐ろしいのか?
それは今後、私たちのほぼすべての情報が国家を運営する
官僚機構に握られることになるからです。
どうして国は、国税局にこれだけ強力な権力を与えているのか?
答えは明快です。
税金が入らなければ、国家が成り立たないからです。
国家権力を突き詰めていけば、徴税権と警察権になります。
さらに削ぎ落とせば、徴税権が残る。
しかし徴税権を駆使するには、
国民が持っている資産、所得の正確な情報が必要になります。
この情報取集が、マイナンバー制度が導入されれば、
いとも簡単にできるようになるのです。
すでに行政は動き出しており、2016年1月からの運用
を目指しているとのこと。
2018年ごろまでに完全に軌道に乗るというスケジュール感か?
いずれにせよ、2020年の東京オリンピックの開催時には、
恐らく完全管理が実現しているでしょう。
ジョージ・オーウェルが 小説『1984年』で描いた、
【監視社会】
という世界に近づいていくことは間違いありません。
▼納税は国民の義務。
あなただけが課税をうまく逃れるという方法はありません。
しかし、自然体で無知のまま受け身で税金と付き合う、
というのは経営者として努力不足。
監視社会の中で、かしこく税金と付き合うには。
▼生きた税金の知恵を身につけ、正々堂々と
税効果チャンスを100%活かす
ことが大切、そんなふうに考えているのです。
経営で大切なのは【夢と、ロマンと、資金繰り】。
【社長業 = 環境変化適応業】
を肝に銘じ、今日も社長業を楽しみましょう。