税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
スシロー迷惑行為の動画が拡散へ。
大きな社会問題になっていますね。
SNS時代ならでは現象です。
SNSとして、
私たちが日常使用しているのが、
▼Yahoo
▼Line
ですが、先日吸収合併の報道あり。
純粋持株会社である、
「Zホールディングス」
とその傘下の
「Yahoo」
「Line」
の3社を今年度に合併へ。
3社合併の理由について、
Zホールディングスの川邊社長は、
会見でこう語りました。
「今のままでは意思決定が
様々に交錯する中で、
どうしてもスピード感を
上げることができなかった。」
3社の合併が
「意思決定のスピード」
という経営課題を克服する。
そのための最善の策であると
川邊社長は強調したのです。
ただ今回の3社合併は、
【純粋持株会社制度の廃止】
を意味します。
しかし、この経営方針は、
「時代の流れと逆行する」
と言われています。
Zホールディングスの失敗は、
「持株会社制度が悪いのではなく、
やり方に問題があった」
ことに原因がある。
日経ビジネスでは、
こう評論されていました。
1997年の独占禁止法改正。
持株会社制度が解禁され、
四半世紀が経過しました。
大和総研の調査によれば、
「上場企業の約2割に相当する
700社が持株会社に移行」
しています。
今でも年間20~40社程度の
上場企業が持株会社へ。
中小企業だけでなく、
大企業でも、
ホールディングス(=持株会社)
が今大人気なのです。
なぜ持株会社制度を選ぶのか?
最大のメリットはスピードです。
持株会社制度は、
子会社を経営から切り離す。
この効果は以下の通り。
▼持株会社
グループ全体の経営に集中
▼子会社
事業に専念
持株会社の効果を早速発揮!
その会社はどこか??
昨年4月に持株会社化したばかりの
「パナソニックホールディングス」
でしょう。
家電メーカー最大手ですね。
パナソニックから経営を切り離し、
ホールディングス化へ移行。
傘下のパナソニックは、
家電事業会社となる。
パナソニックは子会社として、
「付加価値ある製品を作り続ける」
ことだけに専念し、
「指定価格の仕組み
= 価格決定権を小売りから
メーカー側への移行」
を掲げ、家電流通に一石を投じる。
小売業界で多くの反発の中、
全面的に賛同しているのが、
「ヤマダ電機」
です。
ヤマダ電機といえば、
「他店より安く!」
をモットーの家電量販店。
過去はメーカー側も、
ヤマダの安売りに辟易していたとか。
量販店はかつてメーカーより
優位な立場にありました。
「あなたの会社の家電を
売ってあげるんだから、
販売奨励金をくださいよ。」
と圧力をかけていたのです。
ヤマダの商売の仕方は、
“えげつない”
との評判でした。
だから、ヤマダの施策に
共鳴できないメーカーもあり。
(例)ダイキン工業
ただこのままでは、
「メーカーと小売りの共存」
は成り立たない。
そこで、
ヤマダはパナソニックの方針を
全面的に受け入れ、
▼安売りからの決別
▼メーカーが決めた価格で売る
という経営戦略に転換へ。
これでヤマダは大丈夫??
これから経営ヤバくない??
低価格という強みを
訴求できなくなるのでは??
ただ心配ご無用!?
半導体不足の経済情勢で、
店頭は品不足の状態へ。
だから安売りしなくても、
「商品供給&品揃え」
でヤマダは他社との差別化OK。
ヤマダで近年強化してきた
接客力も十分活かせるとか。
以上、日経ビジネスの取材にて、
清水執行役員が語った
「ヤマダのパナソニックとの
共存共栄の経営戦略」
のシナリオです。
(拍手!)
ヤマダ電機のような
大手量販店でさえ、
低価格路線からの
方針展開を見せているので、
我々中小企業ではなおさら、
「高付加価値路線」
を突き進むしかありません。
薄利多売戦略では、
「従業員の物心両面の幸福の追求」
は実現できないのです。
パナソニックは持株会社化で、
メーカー機能に専念でき、
▼ドライヤー
▼食器洗い乾燥機
▼ドラム式洗濯機
などの製品はヤマダの店頭で、
「価格は変えられず、
指定価格であるにも関わらず、
製品の良さを理解した
お客様の購入が多い」
そうです。
ホールディングスについては
▼勝ち組
⇒ パナソニック
▼負け組
⇒ Yahoo&Line
と言えるかもしれません。
今日も社長業を楽しみましょう。