こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の
岩佐孝彦@税理士です。
3度目の緊急事態宣言の発令へ。
3都府県が対象になりそうですね。
大阪府では幅広い休業要請か?
飲食店、百貨店、商業施設、
テーマパーク。
経済が本当に回るのか?
心配が尽きません。
GWがまもなく来ますが、、
宿泊業も大打撃でしょう。
帝国データバンクによれば、
「2020年の宿泊業の倒産」
は125件。
前年対比66.7%増。
増加率は過去最高とか。
コロナ禍の影響は甚大です。
宿泊業のこんな状況下で、
異彩を放つ企業があります。
その名は「星野リゾート」。
2020年には「星の屋沖縄」。
2021年では、
▼1月 界霧島
▼4月 OMO3京都東寺
▼5月 OMO5沖縄那覇
▼6月 界別府
2022年には、
▼界ポロト
▼OMO7新今宮
▼界由布院
などオープン目白押し。
まさに新規開業ラッシュ!
創業107年の老舗の底力なのか?
無敵の快進撃です。
しかし、
初めての緊急事態宣言下では、
星野リゾートも厳しい状況でした。
昨年4~5月は売上8~9割減。
宿泊予約のキャンセル急増。
星野佳路代表は当時、
「コロナ新環境を生き抜く」
という社員専用ブログを投稿。
ただ次第に社員の
「いいね」
が減少していったとか。
観光産業へ世間の批判が相次ぎ、
社員は相当動揺していたとか。
そうした社員の変化を見て、
星野代表は、
「社員の知りたいことに
答えられていない」
と感じました。
社員が当時一番知りたいことは
何だったのか?
「自分の会社が
どのくらいヤバいのか?」
「星野さん、
あなたは本当の状況を
知っているんでしょう?」
そんな気持ちだったと察します。
そこで星野代表は何と、
「5月の倒産確率38.5%」
と社員に発表したのです。
倒産確率は、
▼売上対前年比
▼コスト削減量
▼資金調達
の3つの指標より算出。
売上が大きく減少し、
コスト削減が少額にとどまる。
資金調達があまりにできなければ、
倒産確率が上がる。
そんなモデルだったそうです。
自社の倒産確率を
経営者自らが社員に発表する。
かえって社員が動揺するのでは??
しかし、逆の結果に。
社員の「いいね」が急増。
「どうすれば倒産確率を
減らせるのか?」
「重要な項目は何か教えてくれ」
との前向きなコメントが書き込まれたとか。
星野代表はこの当時のことを
以下のように語っておられます。
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会社がどうなってしまうのか
わからない。
この点が一番の動揺の原因です。
会社の状況を隠してもしようがない。
大丈夫だと嘘をついても、
社員は見破ります。
それより社員の間で共有感を
持てる方が大事なのです。
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星野代表の経営者人生の中でも、
当時は1~2を争う危機だったとか。
売上90%減の状況下で、
3000人の社員の給与を毎月払う。
毎月大赤字の状況下でも、
社員に対する真摯な態度は、
経営者として見習うべき点が多いですね。
そして、
ここから星野リゾートの
コロナ禍での逆襲が始まります。
2020年4月を起点とした
「18ヶ月サバイバルプラン」
を策定したのです。
星野代表はスペイン風邪を研究。
スペイン風邪も
第1波・第2波・第3波が来ていたとか。
そこでコロナ禍も同じ波が来ると予想。
18ヶ月ほどで、ワクチンができる。
その間の需要は、
平時と異なる特殊な動きになる。
感染の拡大と収束の波が
上下のカーブを描くのと同様、
宿泊需要も
「さざ波」
「小波」
「中波」
のように徐々に上がると独自の予測へ。
また星野代表は、
「政府のコロナ対策から
メッセージを読み取った」
とおっしゃっておられます。
初めての緊急事態宣言時は、
観光産業に休業要請は出されず。
47都道府県で、
特措法に基づく休業要請が出された。
これは栃木県だけ。
この状況を星野代表はこう解釈しました。
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消費者にはステイホームと言い、
観光産業には休業要請を出さない。
政府は観光事業者に
「自分の力でどうにか生き残ってほしい」
と言っていると受け止めた。
その際は、
「雇用調整助成金」
を出すので解雇者を出さないように。
私は純粋にそう受け取った。
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国策からどんなメッセージを受け取り、
事業計画に落とし込むのか?
星野代表の経営者としての
「環境変化適応力」
は秀逸です。
今日も社長業を楽しみましょう。